西蒲区意見交換3
最終更新日:2015年4月14日
平成27年1月18日(日曜)午後
質問1
地域包括ケアシステムの実現について
発言者
昨年5月に地域包括ケアシステムについて各コミュニティや地域に役割を求められて、とても責任のある任務だと感じた。実際にそのような方向で進んで行くには、地域力、市民力がなければ問題解決ができないため、地域住民の意識改革が必要だ。
そのため、ぜひ地域コミュニティ、社会福祉協議会、民協、民生委員、自治会等が区役所の地域課や健康福祉課などと連携を密にして、四半期に1度くらいのペースで意識統一を図って共通認識を持ち、進めていっていただきたい。
市長
地域包括ケアシステムには地域、住民の力が欠かせないと思っているが、まず一番核になるのは、看取りまでやっていただける志のあるお医者さんであるので、そのお医者さん方にまずチームを作っていただく。そして訪問看護を担当するチーム、介護するチームの3つのチームがネットワークを組まなければ地域包括ケアはできない。そして、これはまちなかと田園、農村地帯で少し取り組み方を変えて進めなければならないかもしれないが、住宅をリフォームしたり、グループホームや、まちなかでは棟割り長屋のようなものにお年寄りに住まいを変えていただく。そこに訪問医療、訪問看護チームが結びつき、住んでいる方々のお世話をさせていただくということになると、非常に医療、介護、看護サービスが届けやすい。
農村部では、集落が点在しており、家を訪ねていくだけでも時間がかかる。これについては、現在西蒲区では潟東のクリニックの方が先進的に取り組んでくださっている。また、国がこれからは訪問医療、在宅医療だという方向を出してきたので、新潟市医師会としてもその課題解決のため、医師会長自ら介護の現場、介護の方々と意見交換をしてくださっているという状況である。このチームが、8つの区全てで立ち上がっているが、区の中でも空白に近いエリアもあれば、本当に頑張っていただけるエリアもある。そのため、空白、関係が薄い地域ができない取組を早期に進める必要がある。
介護保険制度の要支援の部分について、少し具合が悪くても我慢されている方々をふだんから見守り、声かけをしていただいているコミュニティ協議会や地域の自治連合会のようなところから、介護保険の診断を受けたほうが良いという呼びかけもしていただきたい。それが生活支援でお願いしたい部分である。それにより介護度が上がるのを抑えていただきたい。
健康寿命の観点から説明すれば、西蒲区ではバス交通が厳しい状況だが、バスやJRの乗り継ぎで目的地に行ける場合には、バスもマイカー以外の移動手段の選択肢として頭に置いていただきたい。
健康づくりとまちづくりを連携させる中で、お年寄りもバスが使いやすくなった、70歳以上はバスが割引料金になるのであればバスに乗ってみようかということで、自然と歩いてまちなかに出ていただく。これは健康政策、まちなか活性化政策、公共交通政策が一体となった施策になると思っている。
地域包括ケアも他職間のネットワークを地域が支えるという仕組みがなければ実現できない。そのネットワークを密接にかみ合わせ、情報公開、意見交換を恒常的にしていただきたい。そのような地域の代表例がいくつか出始めている。まちなか型では、山の下が「山の下ねっと」という組織を作って、そこが区役所や自治協議会、コミュニティ協議会と結びつき始めている。西蒲区の場合は、潟東のクリニックの取組、新潟市医師会の地域包括ケア担当、西蒲区の先生で大変頑張ってくださっている方がいらっしゃるので、そのような方を講師にして、皆様との意見交換や広く区民に向けた講演会のようなものを開いていく。国が決めた方向に対応しなければ安心・安全な暮らしはできないということを、今年も様々な機会をとらえて周知していきたい。
質問2
「なかのくち検定」について
発言者
中之口地区コミュニティ協議会では、2年前から「なかのくち検定」を実施している。当初、小学校高学年から中学生、高校生に主体的に受けてもらいたいということだったが、「なかのくち検定」の問題を作る検討委員会には専門家がいないので、どうしても小学校高学年、中学生には難しい問題にならざるをえない。
問題の作成には費用がかかるので、中之口の場合は活性化補助金をお願いしているが、交付が受けられない状況で、子どもたちに出せるような問題が作りづらい。燕市では3年前から、五泉では今年からジュニア検定が始まった。燕ジュニア検定は市教育委員会が主催しており、五泉は市が主催している。新潟市でもこのようなものを行政、教育委員会、区役所が予算を取って行っていただけないか。
地域を愛する心が醸成され、将来的にはUターン、Iターンにつながるのではないかと思うので、ぜひご検討いただきたい。
市長
子どもたちに地域の良さを知ってもらう取組は非常に重要だと思っているので、教育委員会へお願いをし、いくつか特徴のある取組をしていただいている。また、地域教育コーディネーターが全校に配置されているので、地域教育コーディネーターとコミュニティ協議会が結びついて、様々なことを学校で行っているという例もある。
小学生は小学生レベル、中学生には中学生レベルで地域の良さを伝えていく。これもUターンへの布石としては非常に効果があると思う。
そして、新潟暮らし創造運動のようなものを行い、様々なデータを集めて見やすく整理して、県教育委員会にデータを高校生に届けてほしいとお願いするというようなことをこれから行っていきたい。また、大学卒業後に就職先を決めるときに、地元に優秀な企業があるのに企業名だけで大手企業に行ってしまうというのは非常に残念である。このようなことも新潟暮らし創造運動の一つのテーマだと思っている。
どうすれば「なかのくち検定」が存続できるのかということについては、区役所などと意見交換していただきたい。私は地域教育コーディネーターの方々の協力があれば継続できるのではないかと思う。
質問3
人工知能の活用について
発言者
「にいがた未来ビジョン」について市長からお話を伺ったが、このようなビジョンは職員やプロ、専門家や学識経験者が出すのか。
私は先日、テレビでアメリカの人工知能の番組を見た。このビジョンについてもコンピューターに何千何万のデータを打ち込めば、効果のある方法や実施しないほうが良いものなどについて結果が出ると思う。
市長
にいがた未来ビジョンの作り方について、大きな時代潮流は何かと考えた時に、それは人口問題だというのが一致した意見だった。その中で国の人口予測のデータを使って、新潟市はコミュニティ協議会単位でも高齢化予測を出した。これが一番の大きな土台になっている。
それを基に市役所の各部門が必要だと思うメニューを出し、それを担当の地域・魅力創造部が、まとめて一つの素案を作り、議員からもご意見をいただき、また総合計画審議会にかけて審議をしていただいた。なお、この審議会の会長は新潟大学の学長で、学識経験者や福祉分野の専門家、様々な分野の専門家から委員になっていただいた。その後、正式な答申をいただき、その答申を基に議会の皆様に諮ってお認めいただくという手順になっている。
様々なデータが瞬時に出てくる世の中なので、我々も新潟市で把握できる様々なデータを活用しやすいものにしてホームページなどで提示する。それを民間に活用していただくということも今年から本格的に始めようと思っている。
やはり、様々なデータの裏付けがなければ、希望的観測で総合計画を作ることになってしまう。そのため、それぞれのコミュニティ、集落に関するデータが出るので、そのようなデータをしっかりとお示しし、このまま放置していれば3年後、5年後に学校統合の問題や高齢社会はこのようなことになっていくのだという方向を理解していただく。
力を合わせて頑張らなくてはならないという形の議論をしていただけるように、様々なデータを見やすいようにお示ししていきたい。
質問4
少子化について
発言者
少子化の原因として、教育にかかる費用負担が大きいので、支援をお願いしたい。
市長
子どもを生み育てる中で、教育の負担が大きいというデータもある。一方で国は、相当な額の児童手当を出しているが、日本全体で子育ての支援を頑張っているというように受け止められていない。現在市民がもらっている児童手当を仮に全部新潟市がいただいたとすると、保育所、幼稚園、学校の給食費が全部無料にできる。また、子ども医療費助成は高卒まで対象で、予防接種も主なものは無料にできるという計算になっている。このように、手当をこちらにいただければ、サービスとして給付することができ、そのようなやり方のほうが安心感が出てくるのではないかということを国と意見交換している最中である。
新潟市が政令指定都市になって、教育委員会は人事権が持てるようになった。これからは学力が低い教育困難地域にこそ優秀な先生や校長をチームとして派遣し、市内8区で学力を比較した場合、同じ区が継続して学力が最低だということにならないように頑張ってほしいと教育委員会にお願いをして、現在最下位の区は入れ替わっているという状況になっている。塾に行かなくても中学までは公立の学校でも学力は相当高い。そして、高校で頑張っていただき、高校卒業後に働きたい職場があれば、新潟は非常に良い地域だと言えると思う。
奨学金は、国、県、新潟市の制度を組み合わせて行っていただいているが、基本的には貸付型が一般的である。これを新年度以降、議会の皆さんとも意見交換しながら、新潟の大学を受けて、卒業後新潟市で5年間、10年間働くということであれば、それは返さなくても良いというようなことも検討する必要があると思っている。
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