南区意見交換
最終更新日:2018年1月24日
持続可能な地域を次世代に引き継ぐことについて |
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協働について |
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防災士の資格取得のための補助金について |
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(4) | 地域カルテについて |
(5) | 不妊治療の補助金と地域の茶の間について |
(6) | 人口減少の対策について |
質問1
持続可能な地域を次世代に引き継ぐことについて
発言者
私は、今から数年前、機会があって自治協議会に席を置くことがあった。そのとき、少子高齢化部会という小委員会でいろいろな検討をする機会があり、南区は11月を「家族ふれあい月間」と位置付けて、いろいろな活動をしてきた。その中の事業に、小学生には夏の思い出を含めて、家族が1年のうちに取り組んだ思い出を絵画にしてもらい、絵画展を行うというものと、中学生には川柳を作ってもらい、家族の中でいろいろなことを話し合うきっかけにしてもらいたいというものがあった。先月、学習館へ行ったら、事業が継続されており、絵画に触れることができた。家族が一緒になって触れ合うということが、家族が疎遠にならないために大事なことではないかと思うので、今の自治協議会の皆さんに継続して取り組んでもらっていることは大変ありがたい。地域のあり方と家庭のあり方を結びつかせ、地域から一つひとつ積み重ねることを継続していただきたい。
市長
家族の触れ合いが可能な土台が南区にはあり、高齢者の単身世帯割合が新潟市の中でも少ないということから、南区の温かさを「家族ふれあい」という言葉で発信するということは非常に素晴らしい。
「大好きにいがた体験事業」を教育委員会にお願いしているが、それ以前から、本市の小学校では総合学習で地域の素晴らしさに触れている。ここは農業の本場だが、すべての小学生に農業体験と食育をやっていただくことで農業こそが宝なのだと子どもたちにも思ってもらえる。また、新潟の食を誇りにする子どもに育てるという面でも、南区は非常に良い舞台だと思う。
中学生については、南区の素晴らしい農家の方たちが先生になって、教室で授業をしたり、あるいは自分たちの働く場を中学生に見てもらうアグリパークというふさわしい舞台がある。先ほどフルーツをテーマにした白根高校の未来プロジェクトもあったが、グレープガーデンや、観光果樹園、きのこ園などもすでにそのような役割を果たしているのではないかと思う。
南区が交流人口を伸ばしていくときに、食と農という切り口は欠かせないし、大凧文化もほかではまねできない文化なので、南区だけで食と農と文化という食文化創造区ができあがるというところもあると思う。
今後、良いところを大いに伸ばし、一人暮らしの高齢者世帯の方たちが寄り合える場として地域の茶の間などを作っていってはどうか。地域の茶の間に来られる人はいいが、来られない人はどうするのかについて、一番高度なケアをするには専門の看護師や介護の方が必要だが、ちょっとした手助けをやる有償ボランティア、旧新潟市ではまごころヘルプというものが活動している。新潟市では有償ボランティアを全市に立ち上げたいといった活動も始まっているそうなので、南区の一番の特徴である温かい家族の触れ合いが今後も続くような取り組みと、そこになかなか加われない、そのネットワークには入れない人たちをどうすればよいのかを、皆さまからも南区役所と一緒に地域特性に合わせて考えていただければ大変ありがたい。
質問2
協働について
発言者
私どものコミュニティ協議会では、高齢者支援、生活支援、買い物支援など、何かにつけ協働するという形で、地域で地域を守るといった考え方で取り組んでいる。そのような中で、先日の市民協働課からのアンケートの結果によると、コミュニティ協議会の人材不足という形で、約80パーセントのコミュニティ協議会で人材が足りないようだ。実際、私どものコミュニティ協議会の中でも、私のようにリタイア寸前の人間以上の年齢の方に頑張っていただいている。そのような中で、今後どうやって協働というものを維持継続また拡大していくか考えたときに、自治会活動に消極的な住民が非常に増えており、コミュニティ協議会の組織を継続していくことが非常に難しい。
そのような中で、まずは困っていることを明らかにするという見える化が必要だと思う。
次に、行政から自治会活動の重要性に関する宣伝活動を行うということも重要だと思う。地域で地域を守るといった考え方をどうオーソライズするかということを真剣に考えなければならない。
今の若い人たちの時代にはもっと大変な時代が来るということは明らかであるため、有償ボランティア制度というものを考えなければならないのではないか。
市長
3点にまとめていただいたが、いずれも非常に重要なことだと思う。私どももどのようなことにお困りになっているのかということを把握することは重要だと思っている。新潟市の石山公民館では、いろいろな方が集まって「ご近所だんぎ」というものを行っており、これは地域で解決できるのではないか、これは手に負えかねるというものを分類していただいたことがあったが、これは非常にありがたいものだったと思っている。国は、これからの超高齢社会では地域で医療・介護を受けられるようにするという方向を明確に示している。まず、要支援の部分は自治体が行うことになり、現在はその過渡期にある。次は介護度1から2についても地域でやってもらうという方向性が出ているが、今の議論では、介護度5も含めて、最終的には地域で医療・介護の中に入るのだという、勝手な議論がされている。しかしそれが本当にできるのか。やはり一定程度の介護施設は必要ではないかと思うし、地域での協働というところに何から何まで押し付けられたのでは、いくら何でもさばけない。困りごとを見える化して、このようなところは地域、このようなところは専門人材、このようなところは施設に入っていただくというようなものを作っていく。
しかし、地域で医療、介護というときに、お医者さんに来られる人はいいが、家を出られない方には、ボランティアに家に入ってもらう時代がくる。そのときに、最低限のマニュアル的なものを知った有償ボランティアしか救える道はないのではないかと思っている。新潟市全域では有償ボランティアの空白エリアがまだ多いため、ここを早めに何とかしなければ、地域で医療・介護と言われても、それは絵に描いた餅で終わりになりかねないので、そこの部分は本当に頑張る必要がある。しかし、それを支える人材が不足しているため、団塊の世代が地域人間、新しい地域社会人間になれるかどうかというところに相当多くかかっていると思う。団塊の世代で企業社会では相当な地位にあった人が、今度はその努力をコミュニティ・コーディネーターという形で伸ばせるかどうかが相当大きなポイントである。
東京23区では自治会加入率が5割というところが出てきて、地域社会の基盤が崩壊しており、そのようなところでは有償ボランティア、自治会活動の再構築といっても難しいと思うが、新潟市ならまだ相当頑張れるのではないかと思う。団塊の世代などを含めてリタイアされる方に、リタイアしてからでは地域に入ろうと思ってもなかなか入れてもらえない、得意技があれば喜んで迎えらますよということで、今後は企業の皆さんとも協力しながら、退職される前に地域人間になるといったような研修講座を企業の方にも呼び掛けることが必要なのではないかと考えている。団塊の世代は大体退職しているので手遅れかもしれないが、そのような方が公民館活動、図書館などへ行ったときに、今からでも遅くはないということで、首都圏、大都市圏では構築が不能になっている部分を頑張りたい。
見える化についても、「ご近所だんぎ」で出てきたことは地域によって多少ばらつきがあり、重要性のポイントは違うかもしれないが、それほどずれはないと思うので、そのようなものも活用していきたい。
質問3
防災士の資格取得のための補助金について
発言者
私は自主防災の仕事もしている。新飯田地区、茨曽根地区、庄瀬地区にはそれぞれ防災組織があるが、防災士が庄瀬地区にしかいない。防災士の資格を取るためには6、7万の費用がかかるため、それを個人で取るとなると、かなり高額な負担になるので、市のほうに、そういった研修会や防災士の資格をとるための補助金制度があるのかお聞きしたい。また、無いのであれば検討していただきたい。
南区総務課長
本庁の危機管理防災局で補助制度があったと記憶しているが、平成29年度にその制度があるかどうか確認して、ご連絡させていただく。
※後日、南区総務課より発言者に制度概要を説明
【平成29年度の制度概要】
自主防災組織、コミュニティ協議会等が下記費用を負担した場合、費用の2分の1を補助(上限30,000円)
資格取得にかかる費用<防災士研修センターで取得する場合>
(受講料:52,920円 受験料:3,000円 登録料:5,000円 計60,920円)
質問4
地域カルテについて
発言者
今回の「地域カルテ」は大変素晴らしいものであるが、残念なことに、調査のまとめの仕方が中学校単位という設定である。これをできるだけ地域のコミュニティ協議会に密着した小学校区域に是正しまとめていくべきだと思っている。すでに私の所属するコミュニティ協議会では、各自治体、集落ごとに人口の動態をきちんとまとめて、さまざまなところに活動を展開している。この「地域カルテ」をベースに福祉から産業、将来の人口動態の動きまで理解できるため、自分の生活の地域まで広げた「地域カルテ」の作成へも動きを進めていただきたい。
市長
中学校区単位の「地域カルテ」については、健康寿命延伸計画を作成する際に中学校区単位で健康状況を把握した経緯で先行したものであるため、中学校区単位とさせていただいている。空き家などについてはきめ細かく把握できた方が良いということだと思うので、人口については小学校単位、あるいは自治会単位で把握いただくことも可能だと思う。
ただし、高齢化率などを出すときに、地域に大きな特別養護老人ホームが一つあるだけで、そちらに引っ張られてデータがかなり歪んだりする。それでも、この地域にはこのような要因があるということを把握できるので、人口関係については小学校区単位で把握していただいた方が、より切実度が出てくるのではないかと思うので、使い分けていこうと考えている。
質問5
不妊治療の補助金と地域の茶の間について
発言者
一つ目は、結婚年齢が高くなっているため、子どもが欲しくてもなかなかできないという現象がある。そこで不妊治療をしたくても、高額で、とても二人だけの給料では不妊治療ができない。現在、医療では補助金が何もないようだ。不妊治療を受けたいと思っている人のデータなどはあるのか。そういった人たちに、少しでも補助金があれば、子どもを作るチャンスが巡ってくるのではないかと思う。
二つ目は、庄瀬地区というところはすごく田舎なのだが、私は現在、地域教育コーディネーターという立場を利用して、地域でコミュニケーションを図り、情報交換をするために小学校を開放してもらって茶の間を開いている。現在、市は町部だけに重点的に茶の間のことで協力体制を取っているが、へき地のことをもう少し考えていただきたい。
市長
不妊治療についてはかなり大きな問題になっており、私どもも支援をしている自治体を調べている。これについては、新潟市がどのような状況かということをしっかり説明できないので、先進自治体の例も含めて、後で報告させていただく。
小学校を茶の間にご活用いただいているということで、これは本当に素晴らしい取り組みだと思う。私どもは現在、医療・看護・介護チームを作るだけではなく、新しい支え合いのしくみを作る必要があるということで、八つの区で九つのモデルハウスが活動を開始している。そこでさまざまな研修を行っていただき、できる限り身近な地域で多世代の居場所を作ってもらうことが大きな目的の一つであるため、まちなかだけモデルハウスを作っているということでは決してない。
今後は、このようにすれば茶の間を週1回くらい開けられるようになり、毎月第何何曜日には保健師がいて健康指導が受けられるというところにもっていきたいと思っているので、今のような学校を使った取り組みがすでに始まっているというのは大変ありがたい。それも一種のモデルハウスなので、そのようなものも学んで、そういうことができる学校には、庄瀬の例を伝えさせていただきたい。
こども未来部長
不妊治療の補助制度に関してだが、新潟市でも特定不妊治療ということで補助制度を作っている。通常の保険適用のものについては対象外だが、その先には女性だけではなく男性の治療といったさまざまな部分があり、内容が細かくなっている。産婦人科の先生もしくは区の健康福祉課のほうにもパンフレットがあると思うので、そのあたりはお知らせさせていただく。ちなみに、年間大体1,000件くらいの補助実績があり、それによる実績も上がっているようだ。
※後日、南区健康福祉課より発言者に連絡し、不妊治療を望む方が目に触れやすい産科をはじめとする医療機関にチラシ設置を依頼するなどして周知を図っていく旨説明
質問6
人口減少の対策について
発言者
資料を見ると、20代から40代の方々が職業がないために県外に出てしまうようで、南区には就職口がないことが原因と思っている。また、35歳から44歳の働き盛りの人たち、中堅の人たちも県外に出ていくのは非常に困った問題だと思っている。若者の出入の最新情報では、100人いた若者が75人になるということで大きく下がる。これからは働き盛りの人がどんどん減っていくということで、南区自治協議会でも、婚活を今年から始めたが、それだけでは追いつかない。
私は大通地区に住んでいるが、隣りには農業用地がある。また、ここに工業団地があるということだと、南区の特色はベッドタウンなのか、農地なのか分からない。そこで、法律上難しい点があると思うが、農地と工業団地の線引きをどうしていくか。南区は今後、農地専業でいくということになると、最初から人口減少は当たり前なのだという前提に立たざるを得ないが、それでは困る。これから高齢者がどんどん増えてくるということになると、だれが面倒を見るのかということもあるが、衰退ということになると、新潟市そのものも衰退市町村の中に位置付けされるため、どうにか工業団地の折り合いをつけて、人口を増やすための方策を考えていただきたい。
市長
UIJターンや婚活など、地域特性を踏まえてきめ細かく行ったほうが効果が上がるところもあると思うが、南区の状況に対してこうしていくのだということを南区総体で考えていく必要があると思っている。
現在、中央環状道路と放射線状道路はだいたい整備が終わっているので、普通に考えれば、そこと交わるところが一番開発ポテンシャルが高くなる。特に農業的なしばりがない、弱いところは工業団地的な活用の優先順位が高いので、そこに働く場を作る。農業地の良いところは、さらに稼げる農家、稼げる農業生産法人に頑張っていただく。
住まいについては、ニュータウンがオールドタウンになるという例があるので、それをどうすれば循環していくのかというようなことを考えていく必要がある。
区長
皆さんのお話を聞いていると、農業に特化するのか、団地などに特化するのかということだが、南区には工業団地も多くあり、働く場も優秀な企業もたくさんある。そういうことで、そこを区分けするということではなく、農業は農業として、地域のために精いっぱい活用する。果樹が外国人の方に非常に好まれており、9月までに4,000人もの観光客が南区に来ている。農業の特色については、確かに後継者がいなくなってきているが、頑張ろうという若い人たちが多くいる。その人たちを生かしていくことが大事だと思っている。現在、いろいろな課題があるが、若い人たちが集まって、この地区を良くしていこうという南区創生会議が4月に立ち上がった。その中で皆さんからいろいろな意見を聞きながら、南区の課題を一緒に考えていきたい。
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