所得金額の計算
最終更新日:2021年4月1日
所得金額とは、前年の1月1日から12月31日までの1年間の収入から必要経費や給与所得控除額などを差し引いたものです。数種類の所得がある場合は、それらを合計(「合計所得金額」及び「総所得金額等の合計額」という。)します。
なお、均等割の非課税判定、配偶者控除や扶養控除等の判定などに用いられる「合計所得金額」は、前年度損失等の繰越控除前の金額を合計します。所得割の計算の基礎となる「総所得金額等の合計額」は、繰越控除後の金額となります。いずれも土地・建物の譲渡所得については、特別控除前の金額になります。
土地・建物の譲渡に係る特別控除額については、土地・建物の税額を計算する際に差し引き(分離課税譲渡所得金額)、所定の税率を乗じて税額を求めます。
所得の種類と計算方法
所得の種類 | 所得金額の計算方法 | |||
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利子所得 | 公債、社債、預貯金などの利子 | 収入金額 (県民税利子割の対象となるものを除く) | ||
配当所得 | 株式や出資金の配当など | 収入金額-元本取得のために要した負債の利子 (県民税配当割の対象となるものを除く) |
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不動産所得 | 家賃、地代、権利金など | 収入金額-必要経費 | ||
事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、医師その他の事業から生じる所得 | 収入金額-必要経費 なお、青色申告事業者の場合、合計所得金額には、青色申告特別控除額を控除した金額が算入されます。 |
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給与所得 | 給料、賃金、賞与など | 収入金額-給与所得控除額 | ||
退職所得 | 退職金、退職手当など | 【通常は現年分離課税】 (収入金額-退職所得控除額)×2分の1 |
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山林所得 | 山林(立木)を売った場合に生じる所得 | 【分離課税】 収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円) |
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譲渡所得 | 土地・建物、株式などを売った場合に生じる所得 | 土地 建物 |
【分離課税】 収入金額-取得費・譲渡費用(-特別控除額) なお、合計所得金額には、特別控除前の金額が算入されます。 |
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株式 | 【分離課税】 収入金額-取得費・譲渡費用 (県民税株式等譲渡所得割の対象となるものを除く) |
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その他 | 収入金額-取得費・譲渡費用-特別控除額(最高50万円) なお、合計所得金額に算入される長期譲渡所得の金額は、長期譲渡所得金額の2分の1の金額です。 |
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一時所得 | 賞金、懸賞当せん金、競馬の払戻金など | 収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円) なお、合計所得金額に算入される一時所得の金額は、上記の2分の1の金額です。 |
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雑所得 | 公的年金等 | 国民年金、厚生年金などの公的年金 | 収入金額-公的年金等控除額 | |
業務 | 原稿料・講演料又はネットオークションを利用した個人取引などの副収入 | 収入金額-必要経費 | ||
その他 | 生命保険の年金など上記のいずれにも該当しない所得 | 収入金額-必要経費 |
備考1 退職所得、山林所得及び土地・建物、株式等の譲渡所得については、他の所得と区分してそれぞれの計算方法により税額を算出します。
備考2 上場株式等で県民税配当割や県民税株式等譲渡所得割の対象となったものについても、確定申告等を行なった場合は配当所得や譲渡所得となり、合計所得金額に含まれる(所得として算定される)こととなります。
給与所得
給与所得については、必要経費に代わるものとして収入金額から給与所得控除額を差し引くことになっています。給与所得の計算方法は下の表のとおりです。
給与等の収入金額(A) | 給与所得金額 | |
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55万1,000円未満 | 0円 | |
55万1,000円以上161万9,000円未満 | A-55万円 | |
161万9,000円以上162万円未満 | 106万9,000円 | |
162万円以上162万2,000円未満 | 107万円 | |
162万2,000円以上162万4,000円未満 | 107万2,000円 | |
162万4,000円以上162万8,000円未満 | 107万4,000円 | |
162万8,000円以上180万円未満 | (1)A÷4=B(千円未満切捨て) (2)B×2.4円+10万円 |
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180万円以上360万円未満 | (1)A÷4=B(千円未満切捨て) (2)B×2.8-8万円 |
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360万円以上660万円未満 | (1)A÷4=B(千円未満切捨て) (2)B×3.2-44万円 |
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660万円以上850万円未満 | A×0.9-110万円 | |
850万円以上 | A-195万円 |
雑所得(公的年金等)
公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を差し引いたものが、雑所得として取り扱われます。雑所得(公的年金等)は、収入金額と受給されている人の年齢に応じて、下の表のとおり定められています。
年金受給者の年齢 | 公的年金等の収入金額 | 公的年金等に係る雑所得金額(A) | ||
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A以外の所得金額 |
A以外の所得金額 |
A以外の所得金額 |
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65歳未満 | 130万円未満 | 収入金額-60万円 | 収入金額-50万円 |
収入金額-40万円 |
130万円以上410万円未満 | 収入金額×0.75-27万5,000円 | 収入金額×0.75-17万5,000円 |
収入金額×0.75-7万5,000円 |
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410万円以上770万円未満 | 収入金額×0.85-68万5,000円 | 収入金額×0.85-58万5,000円 |
収入金額×0.85-48万5,000円 |
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770万円以上1,000万円未満 | 収入金額×0.95-145万5,000円 |
収入金額×0.95-135万5,000円 |
収入金額×0.95-125万5,000円 |
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1,000万円以上 | 収入金額-195万5,000円 | 収入金額-185万5,000円 |
収入金額-175万5,000円 |
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65歳以上 | 330万円未満 | 収入金額-110万円 | 収入金額-100万円 |
収入金額-90万円 |
330万円以上410万円未満 | 収入金額×0.75-27万5,000円 | 収入金額×0.75-17万5,000円 |
収入金額×0.75-7万5,000円 |
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410万円以上770万円未満 | 収入金額×0.85-68万5,000円 | 収入金額×0.85-58万5,000円 |
収入金額×0.85-48万5,000円 |
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770万円以上1,000万円未満 | 収入金額×0.95-145万5,000円 |
収入金額×0.95-135万5,000円 |
収入金額×0.95-125万5,000円 |
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1,000万円以上 | 収入金額-195万5,000円 | 収入金額-185万5,000円 |
収入金額-175万5,000円 |
備考 65歳以上であるかどうかの判定は、収入のあった年の12月31日現在の年齢によります。
非課税所得
次のような所得は、収入金額の多少にかかわらず非課税所得として他の所得と区別され、課税の対象にはなりません。
代表的な非課税所得
- 傷病者や遺族などの受け取る恩給、年金など
- 給与所得者の出張旅費、通勤手当(通勤手当は最高月額15万円まで)
- 損害保険金、損害賠償金、慰謝料など
- 雇用保険の失業給付
- 相続、遺贈又は個人からの贈与による所得(相続税等の課税は受けます)
- 学資に充てるために給付される金品や、扶養義務者相互間で扶養義務を履行するために給付される金品
- 身体障害者福祉法により支給を受ける金品
- 児童手当、児童扶養手当など