375号(令和4年11月20日) 1ページ
最終更新日:2022年11月20日
災い転じて福となす
肥沃な土壌からの贈り物
その昔、信濃川と中ノ口川の度重なる氾濫により南区は苦しめられました。その反面、肥沃な土砂が上流から運ばれ、堆積しました。地中深く根を張り巡らし、水はけが良く、地面深くまで養分を蓄えている土壌でしか育たないル レクチエにとって最適な土地になりました。それだけでなく、桃、ブドウ、和梨など盛んな果樹栽培が可能となり「フルーツ王国」と言われるまでになりました。
今年のル レクチエ
肥沃な土壌からの贈り物「ル レクチエ」をいろいろと味わってください。
JAグループ内で品質安定を目的として定めた、自主ルールとしての販売開始基準日です。
おいしいものは
おいしく食べなきゃ!
ル レクチエは生産者の下で9割ほど追熟した後に出荷し、食べる人は残りを追熟させると食べ頃になります。手元のル レクチエが一斉に食べ頃になり「食べきれなかった」なんてことはありませんか?
さあ、今年は食べ頃を調節し、食べたい時に一番のおいしさで食べましょう!
※追熟については、昨年11月21日発行「南区役所だより 第351号」をご覧ください
食べ頃を調節
早く食べる(追熟を早める) | 期間を空けて食べる(ゆっくり追熟させる) | |
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保存温度 | 20度くらいの暖かい場所 | 10度くらいの寒い場所 |
保存方法 | 包まれてきたフィルムに包んだまま箱に入れ、追熟に必要なエチレンガスを閉じ込める。 | エチレンガスを逃がすように箱から出し、フィルムの口を開き、風通しを良くする。 |
ポイント | 呼吸をしているル レクチエの炭酸ガスを逃がすため、フィルムは密閉せず、逃げ口を作る。 | 冷蔵庫は乾燥するので入れない。 |
うれしい再会♪
大野さんは、和梨(幸水・豊水・新興)とル レクチエを栽培しています。作付面積はル レクチエが一番広いそうです。
昨年の記事の反響は大きかったようです。友だちからは「いきなり載っててビックリしたよ!」。農家の先輩たちからは「本当にあんなことを思ってるの?思ってないだろ?お前」と、からかわれたそう。彼の人柄があってこそだと思います。
たくさんの人たちの助けをいつか後輩たちに還元し、大野さんのような若い農家がどんどん増えてほしいです。
昨年、未来図として「辞めていく人の分も自分が作りたい。そのために技術を高めたい」と話していましたが、それについて変化はありましたか? | |
将来像は変わっていません。分からないこと、困ったことは先輩たちに聞くことが多いです。的確なアドバイスをたくさんもらいありがたいです。 | |
和梨とル レクチエ、作業は違うのでしょうか? | |
全くの別物だと思っています。ル レクチエの方が手間暇が掛かり大変です。 | |
私たちには贈答用、高級品というイメージのル レクチエですが、身近にあった大野さんにとってル レクチエとはどういうものでしたか? | |
幼少期から口にしていたので、皆さんのような高級品という考えはありませんでした。子どもの頃はよく食べていました! | |
昨年インタビューをした場所は加工場でしたが、何を作っていますか? | |
祖母がル レクチエのコンポートとジャムを作っています。 | |
今年の出来はどうですか?消費者の皆さんに一言お願いします。 | |
今年の出来は良いと思います。たくさんの農家さんが一生懸命、手間暇掛けて作っています。ぜひ大勢の人に手に取り、口にしてほしいと思います。 |
〜 明治から昭和初期にかけて 〜
手探りの状態で開始したル レクチエ栽培。そのため、せっかく作っても実が落ちたりと失敗が続きました。販売用に生産することが難しいと分かると、多くの農家は試しに植えた苗木を切り、他の作物に植え替えました。しかし、そのおいしさを知っているだけに、自家用に苗木を残して育てました。そんなル レクチエが、いつしか当時の新潟市内の高級料亭のデザートとしてお目見えするようなり、新潟古町の芸者さんの間で、おいしい果物「ロクチ」としてひそかなブームになりました。
芸者さんに好まれた「ロクチ」は、その時と変わらぬおいしさで、今も人々を魅了しています。
里親制度で新規就農を
新規就農を希望するが「どうすればいいの?」と思っている人はいませんか?
栽培技術や農業経営に関する知識の指導、就農に必要な農地確保など、里親(熟練農業者)と南区果樹担い手協議会が支援を行っています。
【おおまかな流れ】
面接
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体験・研修 ※アグリパーク・農業大学校での研修
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里親研修 ※研修期間1から2年
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就農 ※農地が借りられるまで時間がかかる場合があります
問い合わせ 産業振興課 電話025-372-6525