美術と考古でみる、ここらへんの生活。
最終更新日:2023年4月17日
弥生の丘展示館開館10周年記念・新潟市新津美術館開館25周年記念・古津八幡山遺跡発見35周年記念
会期 2023年1月14日(土曜)から3月12日(日曜)
※月曜休館(2月20日、3月6日は開館)
ダウンロードして全ページ閲覧できます。会場写真も掲載。(ファイルサイズが大きいため、ご注意ください)
※会期中に行われた、展覧会関連イベントの抄録を追加しました(2023年4月)
全33ページ
美術作品と考古資料を取り合わせると…?
美術品と考古資料を、掛け合わせてみると…?当館と新潟市美術館のコレクションを、市内から発掘された資料と一緒に展示することになりました。
テーマは、「ここらへんの生活」です。発掘されたモノは、過去の人々がいかに暮らしてきたかを語りかけます。美術品も、時代精神を映す鏡であり、人間の生き方や心の働きについて共感や想像を呼び起こします。共に、私たち自身の生活ぶりに深く関わるさまざまな事柄―新潟という風土・生業・技術・機能と形・日常と非日常など―を見つめ直すきっかけを与えてくれるのです。
この「身近さ」こそ、美術と考古の最大公約数だと考えて選んだ品々が並びます。美術からは、小島丹漾(たんよう)、猪爪彦一、倉俣史朗、東松照明ほか現代の作家による絵画・立体・写真、考古からは、主に秋葉区や周辺地域の遺跡から出土した旧石器時代~中世の資料です。各々の間に生まれる共鳴(不協和音?)を、楽しみながら感じていただければ幸いです。
会期 | 2023年1月14日(土曜)~3月12日(日曜) |
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休館日 | 月曜日(2月20日、3月6日は開館) |
開館時間 | 午前10時から午後5時(観覧券販売は午後4時30分まで) |
観覧料 | 一般500円 大学・高校生300円 中学生以下無料 ※大学・高校生料金は学生証をご提示ください |
主催 | 新潟市新津美術館 |
共催 | 新潟市文化財センター |
あいてマンデ~! | 月曜日でも開館します。今回は、2月20日と3月6日です。 |
こどもタイム | 会場に音楽が流れるので、親子で会話を楽しみながら鑑賞できます。 |
展覧会の見どころ
本展では、日本画・油彩画・工芸・デザイン・写真などの多様な美術作品約60点と、考古資料約100点を6つのパートに分けてご紹介し、それぞれの取り合わせによる響きあいをお楽しみいただきます。
第1章 小島丹漾が描く新潟 × 日々の道具
小島丹漾(1902-1975)は、新潟市の中心部、古町に生まれた日本画家です。季節の移り変わりを受け入れ、慎ましくもたくましく生きる新潟の人々を描きました。小島の絵の前には、市内の遺跡から出土した、新潟の風土ならではの発掘品―漁労具や石油に関わる資料―のほか、日々の生活で使われたと考えられる道具類が並びます。
小島丹漾 北国の春信 1971 新潟市新津美術館蔵
第2章 美術/技術
艶やかに塗り上げられた漆器、炎の痕跡や釉の澄んだ色がみどころの陶磁器、滑らかな曲線の輝く金工品。伝統工芸と呼ばれる作品の美が依って立つのは、数千年単位におよぶ、わざの蓄積です。市内から発掘された、かつての工芸技術のありようを伝える品々と共に、現代の新潟の工芸作家による作品をご覧ください。
伊藤赤水 無名異窯変壺 1981 新潟市新津美術館蔵
第3章 猪爪彦一の懐かしい未来 × 古津八幡山遺跡
新津美術館の周りには、約1900年前から発展した、新潟県を代表する遺跡が集中しています。見晴らしのよい高台に築かれた、弥生時代の大きな集落の跡や、古墳時代の直径60m程もある墓、奈良・平安時代に栄えた鉄づくりの拠点などです。これら古津八幡山周辺からの発掘資料に、新潟市の画家・猪爪彦一(1951-)の空想の風景画を、見立ての感覚で取り合わせます。
猪爪彦一 風景(部分) 2017 新潟市新津美術館蔵
第4章 東松照明の桜 × いのり・まつりの用具
写真家の東松照明(1930-2012)は、ライフワークとして日本各地の桜を撮りました。写真には、満開の桜の見事さも去ることながら、集合して一斉に咲く花の異様さや、花の下に営まれる人間くさい生活の断片も捉えられています。桜のある光景の、ただ美しいだけでない、多層的な印象を伝えるこれらの写真のシリーズには、昔の人の、生と死に対する考え方や、信仰・祭祀のあり方を窺うことのできる発掘資料を一緒に展示します。
第5章 倉俣史朗のデザインは? × 縄文土器
「一体どうして、こんな形をしているの?」過去のモノのデザインを見て、このような疑問が湧くことはありませんか。装飾的に見える縄文土器も、その一例ではないでしょうか。新潟市秋葉区から出土した縄文時代の土器片と一緒に並べるのは、1960年代から80年代に活躍した倉俣史朗(1934-1991)がデザインした家具です。現代のデザインも、未来の人には不思議に見えるかもしれません。
秋葉遺跡(新潟市秋葉区)の王冠型土器 縄文時代 新潟市文化財センター蔵
第6章 絵と図 美術と考古のアプローチ
大地を鳥の視点で一望したり、建物の断面からみた様子を描いたり。絵や図には、目に見える姿に非現実を織り交ぜて描き、「物事に対する理解が一層深まるように」表現してみせる力があります。全国各地の遺跡・史跡の復元画を専門に手がける早川和子(1953-)のイラストや、当館所蔵の日本画家の作品から、その可能性を感じてみてください。あわせて、考古学の調査法ならではの図の描き方や、約1700年前の土器に刻まれた絵画表現も紹介します。
早川和子 古津八幡山遺跡周辺イラストマップ(部分) 2012 新潟市文化財センター提供
関連イベント
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、実施を見合わせる場合があります。
※感染症対策のため、イベント参加の際には氏名・住所・電話番号の提供をお願いいたします。
講演会「わたしの考古学とアート」
考古学の研究者で、博物館・美術館の現場においてアートに関わるお仕事も数多く行われてきた講師から、考古と美術にまたがるこれまでの実践について伺います。
講師 橋本 博文 氏(新潟大学名誉教授)
日時 3月5日(日曜) 午後2時~3時30分(午後1時30分開場)
会場 新津美術館 レクチャールーム
聴講無料・先着50名・事前申込不要
クロストーク
展示資料について、文化財センター・美術館両館の学芸員が各々の視点から解説します。
話し手 相田 泰臣 氏(新潟市文化財センター学芸員)、星野 立子(当館学芸員)
日時 3月4日(土曜) 午後2時~(約40分)
会場 新津美術館
定員 50名
聴講無料・先着50名・事前申込不要
「史跡 古津八幡山 弥生の丘展示館」のご案内
史跡古津八幡山遺跡 歴史の広場 ウェブサイト
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