にいがた市議会だより 第88号(令和2年2月2日) 5ページ
最終更新日:2020年2月2日
決算特別委員会審査結果
9月定例会で継続審査とした平成30年度一般会計および7特別会計の歳入歳出決算の認定議案は多数をもって認定すべきものと決定し、12月3日の本会議で委員長報告を行いました。報告した本決算の意見の要旨を掲載します。
財政運営
平成30年度は事務事業の見直しにより、政令市移行後初めて収支均衡を達成したが、持続可能な財政運営には程遠い。今後、社会保障費の増大やインフラの維持管理への備えが必要となり、将来負担比率の増大が懸念される。集中改革プランにとらわれることなく担当部局が状況を注視し、必要に応じて見直すことも重要である。
収支均衡の達成は、少雪による除排雪経費の大幅減など不確定要素によるところも大きく、全事務事業点検を実施し、市民生活に大きな影響と痛みを与えた中で達成したことを忘れてはならない。市民に対して反省やおわびの一言もなく、今後市民に寄り添って財政運営を行っていく意思があるのか疑問である。また収支均衡に過度にとらわれることによるデフレマインドに陥ることへの影響にも十分に留意すべきである。
主要3基金の残高は、昨今多発する自然災害に対する備えとしては不十分である。今後も不測の事態に対応できるよう基金残高の確保に努めるよう求める。
人口減少に伴い税収が逓減していく中、ふるさと納税、ネーミングライツ、クラウドファンディングなど、新たな財源確保に向けた取り組みは重要であり、他の自治体の事例を研究しながら大いに取り組むよう望む。
大型事業
本市の拠点化に資する大型投資がもう少しで具現化されることになる。市民にその効果を還元できるよう知恵を絞り、中途半端な形で終わることなく前に進めることを望む。
一方、大型事業を聖域としてきたゆがみがある。市民の命と健康を守ることやなりわい経済の底上げこそ、選択と集中の中心に据えるべきである。
万代島ルート線は事業の在り方を国と協議し、見直して余った分で地元に仕事をつくる地域密着型公共事業に回し、地域経済を応援すべきである。
産業・雇用政策
20代前半の人口流出に歯止めがかかっていないため、受け皿となる雇用の場の創出が喫緊の課題である。県などと連携し、若者が魅力を持ち、活躍できるような企業誘致を全力で推し進めるとともに、都市間競争に負けないよう補助制度の充実も検討すべきである。
観光誘客
優れた食文化、豊かな自然などをもっと内外に発信することで、さらなる交流人口の拡大を求める。
農業施策
高収益な園芸作物導入による大規模な産地化を目指す取り組みに対して、新たに支援を行ったことを評価する。今後も農業に魅力を感じる新規就農者が増える施策を継続するとともに、家族農業者の声も幅広く聞き、もうかる農業の実現に取り組むよう求める。
常任委員長報告の要旨
12月23日の本会議で行われた各常任委員長報告の要旨です。
総務
財務部長総括説明関係部分
これまでの事業見直しにより、市民に痛みを押し付けたのは市長や副市長の責任とするならば、俸給の減額にとどまらず、事業の見直しや復活を求める。
集中改革プラン(素案)について説明会を行い、市民の意見を積極的に聞くことを求める。
新潟市特別職の職員の給与の特例に関する条例の制定
特別職の職員の給与の減額を提案する際は、一般職員の給与に批判の矛先が向かないよう留意すべきである。
指定管理者の指定に関する議案全般
市が管理することが望ましい施設はないかなど、指定管理者制度の在り方の再検討を求める。指定管理者が固定化することで運営が膠着(こうちゃく)しないよう努めるべきである。
文教経済
令和元年度新潟市一般会計補正予算関係部分
アート・ミックス・ジャパン開催事業について、来場者が年々増えていることを評価する。本市の魅力を市内外に発信し、新規来場者の増加へ一層の努力を求める。毎年開催するのであれば、当初予算に組み込むべきである。
高等学校空調設備整備事業について、明鏡高校へのエアコン設置に併せ、万代高校および高志中等教育学校の保護者が負担しているエアコンのリース料も市の負担とすることを評価する。今後も保護者負担の軽減に取り組むよう望む。
指定管理者の指定に関する議案全般
施設に合う評価項目を検討し、非公募による選定の場合は資料に理由を明記するよう望む。官民連携により公共サービスの最適化を促進するよう求める。
市民厚生
新潟市無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例の制定
違法行為に対し、しっかりと指導監督や改善命令を行える体制を整えるよう求める。
新潟市立児童発達支援センター条例の一部改正
子どもの発達支援や家族支援、関係機関との連携に、より一層取り組むよう望む。
新潟市老人デイサービスセンター条例の一部改正
閉鎖予定の4施設について、利用者が不安にならないよう丁寧な対応と最大限の配慮を望む。
環境建設
新潟市営住宅条例の一部改正
改正の趣旨を踏まえ、悪質な滞納者にはしっかりと対処するよう要望する。市営住宅ストックの有効活用を図り、さらなる家賃などの滞納につながらないよう適切に取り組むことを望む。
信濃バレー親水レクリエーション広場の管理に係る指定管理者の指定
応募が一者のみで競争性が失われている。公の施設は自治体が住民福祉のために設けているもので、営利企業による指定管理はふさわしくない。
人事案件
人権擁護委員候補者
橋本 京子さん 齋藤 誓さん
二瓶富美子さん 牧野 純子さん
渡辺美弥子さん 眞島 潤子さん
津野 香さん 田邊とも子さん
川上 裕子さん
主権者教育推進への取り組み
両川中学校(11月20日)
市議会では、主に中学生・高校生を対象に、学校が実施する主権者教育に協力する取り組みを行っており、未来の有権者が選挙・地方自治制度への理解を深め、自分たちの住む地域社会の諸課題を見いだし、解決に向け自ら参画しようとする意欲の醸成を推進しています。
11月20日に議員9人が両川中学校(江南区)を訪れ、3年生約20人と共に「交通事故多発地点の対策」についての模擬市議会をロールプレイング方式で行い、合意形成や意思決定についての学びを支援しました。
参加した生徒からは「市議会や議員の仕事について興味を持つことができた」「地域の問題について意見をまとめたり、アイデアを出したりする大変さがよく分かった」などの感想がありました。
市議会は、今後も積極的に主権者教育に協力していきます。
模擬市議会の様子
市議会と近隣諸国との交流
中国・青島市(10月30日から11月2日)
佐藤豊美議長をはじめとする議員8人が、本市議会と友好交流の覚書を交わしている中国・青島市人民代表大会常務委員会(議会)を表敬訪問しました。
宋遠方主任(議長)からは、両議会の友好交流10年の成果と、今後両市の多岐の分野にわたる交流拡大などについて期待が示されました。佐藤議長からは、食文化を活用した観光交流、新潟の米や酒の輸出拡大、航空路開設などへの支援・協力についてお願いし、意見交換を行いました。
また、青島港のコンテナやクルーズ船のターミナルなどを視察した他、日本国総領事館や日系企業を訪問し、現地の経済情勢などについて伺いました。
本市と青島市とは東アジア文化都市2015による交流が続いており、市民交流、民間交流のさらなる発展につなげていきたいと考えています。
青島市人民代表大会常務委員会表敬