にいがた市議会だより 第94号(令和3年8月1日) 2ページ
最終更新日:2021年8月1日
一般質問の要旨
- 一般質問者は24人です。質問項目は主なものを掲載しています。
- [答]の末尾にかっこ書きの記載がない答弁は全て市長答弁です。
拉致に関する県市長会への要望と自衛官など募集事務への協力
深谷 成信(翔政会)
[問]拉致被害者家族支援団体は、新潟県市長会の中に、拉致事件の解決に関する取り組みに特化した組織を新設することを要望し、県内自治体の隅々にまで事件解決に向けた機運が高まることを願っているが、市長の考えを伺う。
[答]全ての拉致被害者を取り戻すまで絶対に諦めないという思いを共有し取り組んでいくことが重要である。県市長会や町村会と連携し、市長の会の立ち上げ、その後の活動に積極的に協力していく。
[問]自衛官などの募集に伴う情報の提供依頼に対し、これまで本市は名簿の提出ではなく住民基本台帳の閲覧で対応してきた。令和2年9月定例会で他都市の状況を踏まえて検討するとの答弁があったが、今後どのように対応するのか。
[答]募集活動に最低限必要な氏名・住所の2項目に限定し、紙媒体での提供を含めて検討している。
ワクチン接種の取り組みとポストコロナでの新潟の未来図
小泉 仲之(会派に属さない議員)
[問]新型コロナワクチン接種は、短期間で多数の市民を対象とする未経験の取り組みであり混乱が起きた。市民への情報提供不足も指摘されるが、ワクチン接種計画の問題点と今後の課題について伺う。
[答]各医療機関が慎重に対応され、高齢者のワクチン接種への期待の高まりが想定を超えたため予約が集中した。今後は経験を生かし、円滑な接種環境の形成に努める。
[問]コロナ禍は人口密集の大都市圏から地方への大きな流れを生み出す機会でもあり、今こそ新たな地域づくりや産業政策を準備するべきだ。ポストコロナの新潟の未来図、まちづくりや人口減少に対応した経済・社会のイノベーションと行政の役割について伺う。
[答]情報通信技術を基盤としたデジタル社会の整備が不可欠であり、市民理解を得ながら、その環境を用意するのが行政の役割と考える。
浸水想定区域・土砂災害警戒区域に立地する公立学校・園の状況
栗原 学(翔政会)
[問]水害防止を河川流域全体で目指す流域治水関連法が4月に成立し、災害対策基本法の改正に伴い避難指示を一本化した避難情報の変更が本市でも5月20日から運用されている。こうした中、文部科学省の調査結果として、大雨などにより河川が氾濫した場合の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地する公立学校の状況が先日発表されたが、本市における公立学校・園の状況を伺う。また、状況の改善に向けたソフト面、ハード面での対応はどうか。
[答]本市では116校・園が浸水想定区域に立地し、1校は浸水想定区域かつ土砂災害警戒区域に立地している。ソフト面の対応では各区域に立地する全ての学校・園で避難確保計画を作成しており、ハード面の対応では改築などの際に敷地の盛り土や受変電設備の2階以上への設置などを行っている。
木崎村小作争議100周年と学校トイレの環境改善
風間 ルミ子(日本共産党新潟市議会議員団)
[問]農業改革だけでなく、民主化運動や文化運動といった多様な面があった木崎村小作争議は来年で100周年を迎える。この貴重な郷土の歴史を未来に引き継いでいくことが重要であると考えるが、現在の学校教育の中でどのように取り上げられているか。
[答]小・中学校の歴史学習では、地域の事例を取り上げることもある。地元の中学校ではこの小作争議の歴史的価値に鑑み、専門家の話を聞く機会や北区郷土博物館を活用した学習などを検討している。(教育長)
木崎村小作争議の50周年を記念して、昭和47年(1972年)に建てられた記念碑(北区木崎)
[問]学校のトイレは、子どもたちが健康で安心感やゆとりある学校生活を送る上で重要であると考える。トイレの洋式化や手洗いの自動水栓化など、教育予算を拡充し、改修を急ぐべきではないか。
[答]学校現場の要望も多いため、児童・生徒が安心して快適に利用できるトイレ環境整備に取り組む。(教育長)
新型コロナワクチン集団接種会場と避難情報の変更による対応
荒井 宏幸(翔政会)
[問]企業集積地や工業団地などの会館が集団接種会場になれば、終業後や仕事の合間に接種が可能となり効率が良い。対象人数の制限などといった職域接種の要件の壁にも阻まれず、近隣住民も利用しやすいと考えるが所見を伺う。
[答]64歳以下の接種が本格化していく中、接種しやすい環境づくりとして有効なため、今後検討する。
[問]避難情報の変更で早めの避難行動を心掛ける人が多くなると思われるが、避難所は密を避けるために収容人数を減らしており、受け入れできない事態が懸念される。避難所や避難場所をさらに確保する必要があるのではないか。
[答]本市の想定避難者数は、被害想定が最大となる条件での試算で約15万9千人となる。市全体で必要な避難スペース確保は可能だが、さらに補助的な避難所として公民館など合計43施設を確保している。
今後のワクチン接種方法と行政区のまちづくり
土田 真清(翔政会)
[問]新型コロナワクチンの個別接種は、近くの医院などで誰でも接種できる体制が必要であり、集団接種は仕事を持つ世代や若年層向けに各区の会場を増強すべきである。ワクチン接種は将来的に続くと予想され、今から対応できる土台を構築すべきと考えるがどうか。
[答]身近な地域の医療機関や訪れやすい集団接種会場での接種、予約の取りやすさなど、どなたにも優しい接種方法を検討していく。
[問]本市は区役所を市政のメインステージとし、行政区単位で特色あるまちづくりを進めるため分権型政令市を掲げてきた。区づくり予算と老朽化が進む西蒲区、南区の区役所庁舎の整備について伺う。
[答]区の役割に応じた予算の確保に努め、市民サービスの提供や災害時の拠点といった区役所の果たすべき機能が発揮できるよう整備の方向性を整理、検討していく。
若年がん患者の在宅介護支援と既卒者の学び直し教育機会の保障
飯塚 孝子(日本共産党新潟市議会議員団)
[問]在宅で闘病する40歳未満の若年がん患者は、介護保険などの公的サービスの対象外で介護費用が全額自己負担である。政令市7市では訪問介護や福祉用具の費用の9割相当額を助成している。本市でも同様の制度が必要ではないか。
[答]費用の助成も含めた支援策について、関係機関での相談内容から見える現状などを把握するとともに、国の動向や他都市の事例を注視しながら研究していく。
[問]不登校などで義務教育を受ける機会を逸し、社会で不利益を受けている既卒者に学び直しの機会を保障する必要がある。教育機会確保法に基づき、夜間中学の開設や、市立高校での義務教育課程の学び直しの支援が急務ではないか。
[答]夜間中学開設について県と情報共有し研究を行うとともに、市立高校での学び直しを目的とした独自科目の開設などの検討を行う。(教育長)
「あいさつ課」の取り組みと防災標語の策定
豊島 真(翔政会)
[問]長野県須坂市役所では、平成28年度から新規採用職員研修のグループ「あいさつ課」による活動であいさつを通じた人材育成を行っている。選んでもらう新潟市になる第一歩として、本市も同様の取り組みを行ってはどうか。
[答]紹介事例のような取り組みも参考にしながら、さまざまな手法を用いて職場の活性化や職員の人材育成に取り組んでいく。
[問]東日本大震災の際のいわゆる釜石の奇跡は「津波てんでんこ」の標語で防災教育を受けた小・中学生による避難行動の実践例である。本市も「新潟版・津波てんでんこ」など防災標語を策定・周知し、教育現場で活用してはどうか。
[答]津波の際には、まず自分の命を守る行動が第一であることを意識してもらうため、標語を含め市民の意識付けを効果的に行う方策について検討していく。
津波てんでんこ
第1回全国沿岸市町村津波サミットで成立した標語。
岩手県三陸地方で「津波が来たら、てんでばらばらに一人で高台へ逃げろ」という意味で伝えられてきた。