にいがた市議会だより 第92号(令和3年2月7日) 3ページ
最終更新日:2021年2月7日
一般質問の要旨
- 一般質問者は25人です。質問項目は主なものを掲載しています。
- [答]の末尾にかっこ書きの記載がない答弁は全て市長答弁です。
受動喫煙防止と喫煙権の両立とコロナ禍で闘う職員への市長の思い
美の よしゆき(翔政会)
[問]改正健康増進法には、屋外における受動喫煙防止対策として自治体が行う一定の分煙施設の整備に対する財政支援を行うとある。多くの市民を受動喫煙から守ることと、喫煙者の喫煙する権利との両立を図るため、ある程度の分煙施設が必要と考えるが見解を伺う。
[答]喫煙者が駅前や商店街など、多くの人が利用する場所で周囲に配慮しながら喫煙することは難しく、望まない受動喫煙を生じさせないために喫煙施設を設置することは、方策の一つと考えている。
[問]コロナ禍の中であらゆる施策が時間との闘いになっている。短期間で地元飲食店&地域交流応援事業とあんしん宴会割引キャンペーンができたが、職員のチャレンジに対する市長の思いを伺う。
[答]最後は私が責任を取るので、全職員が一丸となって取り組んでほしいと考えている。
介護施設などでのPCR検査拡大と重症患者に対応する市民病院の体制
中山 均(会派に属さない議員)
[問]新型コロナウイルス感染症の第3波が全国に拡大しており、本市でも西区の介護施設で大規模なクラスターが発生した。他都市では介護施設などの入所者や職員を対象とするPCR検査を行う事例もあることから、特に介護施設などでの検査の範囲を拡大すべきではないか。
[答]感染予防対策に留意しながら、介護に従事している職員の方の安心につながる支援策を検討していきたい。
[問]新型コロナウイルス感染症の重症化例への対応において、市民病院で保有する人工心肺装置「ECMO(エクモ)」の台数、重症化例に対応可能な病床数を伺う。
[答]ECMOを3台保有し、重症患者に対する即応可能病床が8床ある。8床全てを使用する場合には、救命救急センターの機能縮小や入院制限が必要と考えている。(病院事業管理者)
ECMO(エクモ)
ExtraCorporeal Membrane Oxygenationの略で、体外式膜型人工肺のこと。人工心肺装置と訳されることもある。
人の肺の代わりに酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)を行う人工肺と、体内から取り出した血液を人工肺に送り、体内に送り戻す血液ポンプによって構成される高度な医療機器で、新型コロナウイルス感染症の治療でも用いられている。
起業、創業支援への取り組みと商店街での客引き防止
内山 航(翔政会)
[問]本県、本市は、これまでも起業、創業に取り組んできたが、まだ少ないといわれている。起業、創業を今後も増やし、起業した後に市外や海外へ羽ばたいていける企業を一つでも多く輩出しなければならないと考えるが、これまでの取り組みの成果と今後の方向性について伺う。
[答]新潟IPC財団などと創業支援に取り組み、平成27年度から5年間で700件を超える創業につなげた。引き続き起業、創業の活性化に関係団体と連携し取り組む。
[問]新潟駅前弁天通商店街では客引きの問題が顕在化している。本市の顔といえる場所でもあることから、客引き防止の取り組みを強化すべきと考えるがどうか。
[答]商店街と共にこれまで以上の客引き防止対策に取り組み、誰もが安心して通行し利用できる新潟駅前の環境の健全化に努めていく。
新潟駅前弁天通商店街
新潟IPC財団の取り組みと産後ケアのニーズ調査
松下 和子(新潟市公明党)
[問]新潟IPC財団は本市の中小企業のビジネスパートナーとして多様な支援を行っている。コロナ禍で不安を抱える事業者は大変多いため、情報の発信・周知とともに事業継続に向け、寄り添った支援が必要と考えるがどうか。
[答]財団では、相談体制を強化して対応している。また支援情報がタイムリーに行き届くよう、引き続き積極的な発信に努めていく。
[問]産後ケアには多様な支援が求められており、本年度から事業内容が拡充されデイケア・訪問ケアが始まったが利用はわずかだった。コロナ禍の影響も考えられるが、利用が進まない原因を探るためにもニーズ調査が必要ではないか。
[答]ニーズ調査の必要性を認識しており、新型コロナウイルスの影響で妊産婦のニーズが変化したことも想定されるため、年度内に実施できるよう準備を進める。
今後の家族介護者支援と所得の低い高齢者への終活支援
志賀 泰雄(新潟市公明党)
[問]地域包括支援センターなどの窓口に寄せられる相談内容は、老老介護、遠方介護、ダブルケアなど多様化している。これまでの家族介護者支援の取り組みをもう一歩進め、多様な視点から行っていく必要があると考えるがどうか。
[答]地域包括支援センターで多様な支援ニーズや相談にきめ細やかに対応できるよう、関係機関・地域と連携を図りながら、相談・支援体制の強化を進めていく。
[問]亡くなった後のお墓や財産処分などを生前に決めておく終活が認知されてきて、民間事業者でも支援を行っているが相応のお金がかかる。行政で身寄りがなく所得の低い高齢者との葬儀や納骨に関する生前契約を検討してはどうか。
[答]他都市の事例も検証しながら、庁内の関係部署や社会福祉協議会などと現状や課題などを共有し、行政の関わり方を研究していく。
ダブルケア
晩婚化や出産年齢の高齢化を背景に顕在化した、育児期にある者(世帯)が親の介護も同時に担う状態のこと。
平成28年の内閣府男女共同参画局の調査では、推計で約25万人(女性約17万人、男性約8万人)がこの状態にあるとされている。
一斉・定期的なPCR検査実施と今後のバス交通
五十嵐 完二(日本共産党新潟市議会議員団)
[問]市民の命を守ることは市長の役割である。新型コロナウイルス感染症による高齢の重症者を抑え医療崩壊を防ぐため、医療機関や高齢者施設などに勤務する人や入院・入所者を対象に、一斉・定期的なPCR検査を本市の負担で始めてはどうか。
[答]一斉・定期的なPCR検査の実施は効果や費用の観点から慎重に検討すべき課題のため、引き続き国や県と連携し対策をしていく。
[問]11月21日の新潟交通のダイヤ改正は、過去最大規模の減便で、今後、さらなる減便や路線廃止、運賃の値上げが想定されるものである。路線廃止などを行わないよう事業者に求めるべきだ。
[答]新潟交通には、コロナ禍の厳しい状況を乗り切り、持続可能な公共交通であり続けてもらうことを念頭に、市民生活への影響が最小限となるよう配慮を求めていく。
飲食店などへの支援の在り方と通学が不便な地域への支援
小柳 聡(民主にいがた)
[問]地元飲食店などへの支援が行われるが、事業者からコロナ禍で先が見通せない中では、固定費への支援の方がありがたいとの声がある。例えば水道基本料金の一定期間免除などはできないか。
[答]コロナ禍での経営状況の悪化は飲食業に限らないため、飲食業の固定費に対してのみ支援することは難しいが、本市と国の事業の実施状況を見ながら研究していく。
[問]冬季間、北区の光晴中学校の自転車通学をしている一部地域の生徒は、保護者が借り上げたコミュニティバスを利用している。このバスが来年度末に廃止されると保護者負担額が大幅に増えてしまう。住んでいる地域で教育環境に差が生じないよう支援すべきでは。
[答]現段階で新たな支援は難しいが、冬に通学できないということがないよう、何か工夫できることがあるか研究していく。(教育長)
施設職員のPCR検査実施と保育行政の組織、人員体制強化
石附 幸子(市民ネットにいがた)
[問]介護、福祉の現場で働く職員などが感染した場合、施設内のクラスターにつながる可能性があるため、一定の条件の下、順次、新型コロナウイルスのPCR検査を実施してはどうか。
[答]職員や利用者の方の安心のために、現在、福祉部門で支援策を検討中であり、検討内容を聞いた上で判断したい。
[問]正職員の多忙化など市立保育園が抱えている課題の多くが、職員の多様かつ複雑な雇用形態に起因しているのではないかと考えている。これらの課題解決のために全体を見渡した抜本的な組織、人員体制の強化が必要と考えるがどうか。
[答]保育行政における組織、人員体制の強化や業務の改善も必要であるため、業務の外部委託と併せて、本庁、区役所組織の再編や人員配置の見直しを検討していく。