(27-1-7) 介護制度における虐待認定の適正性に不透明感がある 他
最終更新日:2016年4月4日
(27-1-7) 介護制度における虐待認定の適正性に不透明感がある 他
平成28年 2月19日 苦情申立受理
申立ての趣旨
1 介護制度における虐待認定の適正性に不透明感がある。
2 母親の銀行口座凍結についての経緯の説明及び早急に凍結を解除してほしい。
3 母親の意思を尊重して早急に申立人との生活を復帰させてほしい。
申立ての理由
申立人は、父親が他界した後も、別居している弟とともに一生懸命母親の介護をして来た。母親の今後についても、申立人は、日頃から弟と話し合っていて、より良い生活を送るための相談を市の担当者等を呼んで相談しようとしていたところ、平成27年12月28日に、事実のない母親への虐待により虐待者と認定されてしまった。
そして、同日母親はA病院に入院させられ、申立人はその後母親に会わせてもらえず、面会を許された弟を通じて母親の様子を聞いて いた。弟の話では、母親も早く退院して、自宅で申立人と一緒に暮らしたいと言っていたとのことで、申立人としては少し安堵していた。
しかし、平成28年1月18日に、申立人及び母親の生活費の要である母親の銀行口座が凍結されてしまった。申立人は現在無職であり、母親からは「もしもの時は私の口座を少しずつ取り崩して生活しなさい。」と言われていたが、その口座が凍結され、申立人は生活困窮者となってしまった。申立人には弟がいるが、金銭的な迷惑はかけられないので、一刻も早く口座の凍結を解除してもらいたい。
また、1月19日に突然母親が施設に入所させられてしまい、申立人は、市の担当者から一連の経緯を聞き、話し合いもしたが、納得できる回答が得られなかった。
母親は元気だった頃、「自分は施設なんか行かない。自分は自分の家にいる。」と強く言っていたし、申立人は、母親と会えなくなってから、母親が毎日どのような生活を送っているのか心配で気苦労が絶えない。母親は今施設に入所させられて、申立人や弟も1か月以上も居所がわからず、会うことができないでいる。母親は申立人に会いたいと強く言っているはずであり、申立人としては、これまでと同様に、母親と一緒に生活ができるようにしてもらえるよう、強く懇願する。
所管部署
B区健康福祉課
調査の結果
平成28年3月25日 決定
申立ての趣旨の1については、平成27年12月28日における具体的事実に基づき所管課で判断したものであり、要綱等に則った適正な手続きであると考える。
2については、口座の凍結を市が依頼できるものではなく、あくまでも銀行の判断で進めることであるので、本審査会では意見を述べることはできない。
3については、主治医の意見及び申立人の母親の状態などを総合的に判断した上で現状を維持している所管課の対応に非があるとは言えない。
調査結果の理由
1について
申立人及び所管課からそれぞれ聞き取りを行った。
平成27年12月28日に申立人からの要請により地区担当保健師と地域包括支援センター職員が申立人宅を訪問した際に、その時の状況及びやりとりの様子など具体的事実に基づいて申立人が母親を虐待していると判断し、受診の必要から母親をA病院に入院させ、その後平成28年1月19日に施設に入所させている。この一連の流れは、新潟市が定める「老人福祉法に基づくやむを得ない事由による措置要綱」及び内部規定によるマニュアルに則ったものであり、虐待の判断を行った理由については平成28年1月4日、同12日、同19日の申立人及び代理人との面接時に伝えていることから、適正な手続きで行われているものと考える。
2について
所管課によれば、口座の凍結について所管課が銀行に依頼できるということは法的にあり得ないし、実際に依頼した事実はない。銀行がどういった経緯及び判断で口座を凍結したかを調査する権限は本審査会にはないため、意見を述べることはできない。
3について
申立人によれば、代理人が母親の入院時に録音した「申立人と住みたい」と発言したデータがあるとのことである。また、自宅で介護できるよう、それなりの改造も考えており、母親の早期の帰宅を望んでいる。
一方、所管課によれば、平成28年2月2日時点での母親の主治医の診断書による意見、同2月23日時点での母親との面談及び母親の要介護度など現在の状態を総合的に判断し、在宅での介護は困難としている。
母親の生命を守るために、これまでのケース記録等に記載されている内容を客観的根拠として現状を維持している所管課の対応に非があるとは言えない。
以上、調査結果のとおり判断する。
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