市報にいがた 令和元年8月4日 2700号 2面・3面
最終更新日:2019年8月4日
国際交流のさまざまなかたち
ここではスポーツ、文化などを通して交流を続けてきた人たちの活動を紹介します。
スポーツで世界とつながる
新潟市太極拳協会
会長 土田 公一さん
問い合わせ 同協会事務局(電話:025-228-2150)
※水曜・木曜・金曜午後3時から午後4時半のみ
本市とハルビン市はさまざまな分野で交流をしてきました。その中でも市民が中心となりスポーツを通して交流をしてきた団体が新潟市太極拳協会です。同協会は昭和59年に発足し、現在ジュニアを合わせ585人が所属しています。
同協会会長の土田公一さんに話を伺いました。
ハルビン市との交流について教えてください
言語や文化の違い、政治など難しいことは考えず、30年以上楽しく交流してきました。
昭和60年に本場の太極拳を学ぶため、ハルビン市太極拳友好交流団を本市に招待したことから交流が始まりました。翌年、当協会が招待され代表団4人が訪中しました。その後も互いに行き来して交流を重ね、訪中メンバーは100人ほどになったこともあります。ハルビン市の人たちは、私たちのことを「朋友(ポンヨウ)(中国語で友人)」と親しみを込めて呼んでくれるのでうれしいですね。
私は4回目の交流から参加していますが、初めてハルビン市で太極拳を見た時にレベルの差を肌で感じ、この経験を今後に生かそうと強く思ったことを今でも覚えています。
今後について教えてください
中国でもレベルの高いハルビンの太極拳から技術を習得できたこともあり、新潟は県全体で太極拳のレベルが上がりました。大会でも上位入賞しています。この技術を生かして、新たに太極拳を始める人やジュニアの育成に力を入れていきたいです。
活動の様子
ハルビン市ってどんなところ?
人口:962.1万人(2018年現在) 面積:53,100平方キロメートル
中華人民共和国黒龍江省の都市。東北地方北部の政治・経済・文化・金融の中心。冬になると最低気温がマイナス30度に達することもある。「氷の都」とも呼ばれ「ハルビン国際氷雪(ひょうせつ)まつり」には多くの観光客が訪れる。
ハルビン国際氷雪まつり
交流の歩み
トピックス ハルビン市と本市の小学生が交流しました
7月16日(火曜)に中国ハルビン花園小学校の1年生・2年生18人とその保護者が、国際交流の一環で東区の牡丹山小学校を訪れました。
全校児童による歓迎会や、2年生・3年生との日本文化に触れる遊び、給食体験などを通して交流を深めました。
児童同士はすぐに打ち解け、ジェスチャーを交えて紙相撲やけん玉遊びなどで盛り上がりました。
牡丹山小学校の渡辺校長は「ハルビン市の子どもたちと直接触れ合ったことは児童たちにとって貴重な機会となった」と話しました。
ハルビン市の児童(右)と紙相撲を楽しむ様子
市民が開いた国際交流の扉
新潟・フランス協会
代表理事 本間 彊(つとむ)さん
問い合わせ 同協会事務局(株式会社丸屋本店内 電話:025-225-2424)
本市とナント市との友好関係は市民同士の交流から発展してきました。その中心となっているのは平成3年設立の「新潟・フランス協会」です。約300人の会員がおり、ナント市との交流のほか、新潟市内で月1回の定例会を行っています。
同協会代表理事の本間彊さんに話を伺いました。
ナント市との交流について教えてください
以前から親交のあった当時のフランス大使館公使の「新潟にフランスと交流する団体があるといいね」という言葉がきっかけで、当協会を設立しました。設立してすぐに、ナント市にある日本と親交を深める団体「アトランティック・ジャポン協会」と交流が始まりました。その協会に本市への留学経験者が所属しており、新潟の話で盛り上がりました。ナント市の人は明るくて優しい人が多く、フランス語が話せなくてもすぐに仲良くなりました。
音楽分野を中心に交流を始め、三味線奏者と一緒にナント市へ訪問したこともあります。本市にはナント市の交響楽団や映画監督を招き、演奏会や講演を行いました。
両協会の活動には、元ナント市長でその後フランスの首相にもなったエロー氏が大きく関わっています。エロー氏は立場が変わっても、当協会がナント市へ訪問するときは必ず会いに来てくれて、温かい友情を感じています。
今後について教えてください
私たちの交流から姉妹都市提携に至ったことは当協会の誇りです。これからも食や音楽などを一緒に楽しみ、人と人とのつながりを大切にして交流を続けていきたいです。
ナント市ってどんなところ?
人口:30.3万人(2017年現在) 面積:65.19平方キロメートル
フランス共和国の首都パリから超高速列車で約2時間。水と緑に囲まれた美しい街で、人口規模が国内第6位の都市。LRT(次世代型路面電車)など公共交通が発達しているほか、歴史的建造物も数多く残る。
市内を走るLRT
交流の歩み
トピックス ナント市主催 姉妹都市提携10周年記念事業に参加
5月15日にナント市で開催された記念事業に中原市長と文化団、新潟・フランス協会を中心とする市民団が出席しました。記念植樹を行ったほか、日本料理のふるまい、三味線や永島流新潟樽砧(たるきぬた)伝承会の演奏などを披露しました。
ことし秋ごろにはナント市代表団が本市を訪問する予定です。
左からソブザック副市長、中原市長、ロラン市長
日本料理のふるまいの様子
そのほかの外国とのつながり
本市は世界5カ国7都市と積極的な都市間交流を推進しています。
姉妹・友好都市
さまざまな分野で交流することを目的に提携書を交わした都市。姉妹都市と友好都市の明確な定義はなく、アメリカで「Sister city(シスター シテイ)」と呼ばれたことから直訳で「姉妹都市」と呼ぶ。中国の都市との間では「友好都市」と呼んでいる
姉妹都市 ※提携年
- 昭和40年 ガルベストン市(アメリカ合衆国テキサス州)
- 昭和40年 ハバロフスク市(ロシア連邦ハバロフスク地方)
- 平成3年 ウラジオストク市(ロシア連邦沿海地方)
- 平成17年 ビロビジャン市(ロシア連邦ユダヤ自治州)
交流協定都市
両都市で今後さらに交流を発展させたいという考えで一致した場合、交流協定を締結する
交流協定都市 ※締結年
- 平成18年 ウルサン広域市(大韓民国)
国際交流員を知っていますか?
Q 国際交流員ってどんな人?
A 本市で翻訳・通訳や国際交流イベントの企画実施をしている市の職員です。外国人住民の生活支援にも協力しています。
Q 本市にはどこの国の交流員がいるの?
A アメリカ、中国、ロシア、韓国、フランスの5カ国の交流員がそれぞれ1人ずついます。
国際交流員 イム・ユーリヤさん(ロシア出身)
国際交流事業の紹介
- 各国の文化理解講座
- 各国の料理教室
- 国際交流員とのおしゃべりサロン
- 国際スポーツイベント
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別冊情報ひろば4面に掲載
国際交流員 シャーリーン・ウールソンさん(アメリカ出身)
国際交流に興味のある人は国際交流協会へ
国際交流協会 電話:025-225-2727
月曜から土曜午前9時から午後5時
※祝日・休日、年末年始を除く
中央区礎町通3-2086(クロスパルにいがた内)
国際交流員 洪 蔡利(ホン チェリ)さん(韓国出身)
編集後記~取材を終えて
今回の取材で印象的だったのは「外国語を話せなくても、相手を理解しようとする気持ちがあれば交流はできる」という言葉でした。
言語や文化の違いなど難しく考えず、音楽や料理、スポーツなど身近な興味のあることをきっかけに交流の一歩を踏み出してみませんか。そうすることで、多様な価値観に触れることができるのではないでしょうか。
関連リンク
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