市報にいがた 令和元年9月1日 2702号 5面
最終更新日:2019年9月1日
みなとまち新潟 歴史探訪(25)
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『越後土産』と新潟 ~水が育む特産物~
現在の新潟には、ブランド米や地酒などさまざまな特産物があります。元治元年(1864年)に発行された『越後土産』は、会津藩士の紀興之(きのおきゆき)が幕末の越後の名所旧跡や神社仏閣、市の開催日や料理屋の一覧などを紹介した書物です。その中の「産物見立取組」は越後の特産物を相撲の番付形式で表したもので、現在の新潟市域だけでも80を超える特産物が登場します。
このうち、前頭五枚目に挙げられているのが「五十嵐干鰯(ほしか)」です(資料1)。五十嵐浜ではイワシ漁が盛んで、春になると大群が押し寄せ海面が盛り上がるほどの勢いだったといいます。海岸近くまで寄ってくるイワシを刺し網や地引き網で取り、取れたイワシは砂浜に並べられ、干鰯にされました(資料2)。干鰯は西国地方を中心に需要が高く、主に綿や菜種栽培の肥料として使用されました。
干鰯の他にもウナギやハゼなど川や潟で取れる水産物が選ばれており、水との関わりが深い新潟の特徴が現れています。
資料1 「産物見立取組」(部分、昭和47年度版『越後土産』より)
前頭五枚目に「五十嵐干鰯」が挙げられている
資料2 イワシ漁と干鰯づくりの様子
(「西蒲原郡五十嵐浜村 鰮漁及干鰯船積之図」(部分、新潟市歴史博物館蔵))
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