市報にいがた 令和3年2月7日 2736号 1面から3面
最終更新日:2021年2月7日
心も体も健康で過ごすために
新型コロナウイルス感染症による生活環境の変化などが原因で、心と体にさまざまな影響が現れることがあります。
不安やストレスと上手に付き合い、健康を保ちましょう。
問い合わせ こころの健康センター(電話:025-232-5551)
心と体の健康を守るため一人で悩まず相談を
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、知らないうちに心と体が疲れていませんか。
これまで経験したことのない日常生活の変化に直面し、やり場のない悩みやストレスを抱えている方もいらっしゃると思います。
つらい気持ちは、自分以外の誰かに話すことで和らぐことがあります。市では、感染症に関連するものをはじめ、ひきこもりや依存症、精神疾患などによるさまざまな悩みについて、電話や対面、メールによる相談窓口を設けています。専門のスタッフが不安や悩みを持つ人やご家族に寄り添い、皆さまの健康を守ります。心配な方は一人で悩まず、ぜひ気軽に相談してください。
一方、昨年末から首都圏などを中心に全国的に感染者が増加しています。感染拡大を抑え込み、社会経済活動との両立を図るため、市民の皆さまには感染拡大地域との往来や普段顔を合わせない人との飲み会・食事会を極力控えていただくほか、マスクの着用やこまめな手洗い、「3密」の回避など、引き続き感染防止の取り組みにご協力をお願いします。
新潟市長
専門家に聞きました 「新しい日常」でのストレスとの付き合い方
新潟青陵大学大学院
臨床心理学研究科
臨床心理センター
センター長 中村 協子(きょうこ)さん
不安な気持ちから体調不良に
新型コロナウイルス感染症によって、私たちの生活は大きく変化しました。最近、「いつも気分が晴れない」「生活に息苦しさを感じる」という人もいるのではないでしょうか。
人は正体が分からないものに出会ったり、先が見えない状況に置かれたりすると、そのストレスから不安な気持ちになり、体調を崩してしまうことがあります。
こんな症状はありませんか?
気持ちの変化
- 涙もろくなる
- イライラする
- 気持ちの浮き沈みが激しい
- 投げやりになる
- 誰とも話す気にならない
- 人の目が気になって外出が怖い
など
体の変化
- 疲れやすい
- 目まい、頭痛、肩凝りがある
- 吐き気、胃痛、食欲不振や過食がある
- 眠れない、同じ夢ばかり見る
など
行動の変化
- 考えがまとまらない
- 記憶力が落ちた
- 悪い方向にばかり考える
- 皮肉に考えてしまう
など
「心の疲れ」は誰にでも現れる
ストレスが原因の体調不良や不眠、食欲不振などは誰にでも現れ、自然に回復することが多いですが、それらの症状が強くなったり長引いたりすると、うつ病など心の病気を引き起こすことがあります。
心の疲れを感じたら、自分の好きなことや楽しいことをしてみてください。体を動かしたり、外の空気を吸って景色を見たり、気分転換をするのも良いと思います。
一人で抱え込まないで
不安な気持ちを心に抱えていると、どんどん気分が重くなります。悩み事は、ぜひ人に話してください。悩みの原因が解決しなくても、話すことで自分の思いや状況を整理することができて、気持ちが和らぐことがあります。
身近な人に話しにくい場合は、相談窓口を活用してください。
偏見・差別について
不安な状況下では、他者を悪者と見なして責めたり拒絶したりすることで安心感を得ようとする心理が働き、その心の動きが誹謗(ひぼう)中傷につながってしまいます。「もし自分が感染したら」と想像し、人から言われたら困ること、されたら嫌なことは絶対にしないでください。ひとごとではなく自分ごととして考えましょう。
今の時代、誰もがストレスと無縁ではいられません。感染症も数あるストレスの一つとして捉え、生活してみてはいかがでしょうか。
やってみよう 自分でできるストレスケア 4つのポイント
心の健康を維持するためには、普段の生活を整えることが大切です。自分でできる心のケアの方法を紹介します。
食事・栄養
- 毎日決まった時間に食事を取る
- 栄養バランスの取れた献立を心掛ける
- たばこやアルコール、カフェインの取り過ぎに注意する
生活リズム
- 毎日決まった時間に起床、就寝する
- 就寝前はパソコン・スマートフォンの使用を控える
- 毎日同じ時間に行う日課を作る
コミュニケーション
- 電話やメール、SNSなどで信頼できる人とのつながりを持つ
- 周囲の人に感謝の気持ちを持って接する
- 1日1回、笑顔になれることを探す
運動
- 毎日決まった時間に運動する習慣をつける(ラジオ体操など)
- 天気のいい日は、「3密」を避けマスクをして外で散歩する
- 掃除や洗濯など、家事をしながら体を動かす
簡単にできるリラックス方法
※出典:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部「こころの健康を保つために大切なこと」
呼吸法 リラックスした心と体の状態を作ります
- 椅子に楽に座り、両足を床に付ける
- 息を鼻から4秒間吸い、2秒間止め、口から6秒間かけてゆっくりと吐く
- 2.を繰り返し行い、10分間続ける
マインドフル瞑想(めいそう) 不安にさせる考えから距離を取ります
- 椅子に座って目を閉じ、呼吸に集中する
- 途中でさまざまな考えが浮かんできたら、その考えに気付き、また呼吸に意識を戻す
- 2.を繰り返し行い、15分間から25分間続ける
その悩み、一人で抱え込まず 話してみませんか
新潟市では、暮らしの中で起こるさまざまな悩み事を相談できる窓口を設けています。
心の疲れが続くときは、気軽に相談してください。
こころの健康センター(中央区川岸町1)
思春期・青年期の悩み、ひきこもり、アルコール・薬物依存、摂食障害、うつ病や統合失調症といった精神疾患など、心の健康についての相談に専門のスタッフが対応します。
電話相談 電話:025-232-5560
精神保健福祉相談員などが電話で相談に応じます。本人だけでなく家族や関係者も相談できます。
日時 月曜から金曜午前8時半から午後5時(祝日・休日、12月29日から1月3日除く)
来所相談
電話相談で事前の予約が必要です。
対応者 | 日時 | 相談内容 |
---|---|---|
精神保健福祉相談員など | 月曜から金曜午前9時から午後4時30分 | 心の健康、精神障がい者の保健福祉制度 |
精神保健福祉相談員など | 第1月曜・第3月曜午後1時30分から午後3時30分 | アルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症 |
精神科医 | 木曜午前9時から正午 | 医学的見地からの心の健康 |
精神科医 | 第2火曜、第4木曜午後1時30分から午後4時 | 高齢者の認知症やうつなど |
精神科医 | 偶数月第2木曜午後1時30分から午後4時 | 思春期・青年期の心の健康 |
臨床心理士 | 第2水曜午後2時30分から午後4時30分、第4水曜午後6時30分から午後8時30分 | 心の健康 |
メール相談
新型コロナウイルスの影響による精神的な不調や心の健康についての困り事の相談を受け付けています。匿名でも相談可能です。市ホームページから専用フォームで送信してください。 ※回答まで2週間程度かかる場合あり
市ホームページから
こころといのちのホットライン 電話:025-248-1010
健康や生活問題などの悩みに、夜間や休日にも対応しています。
日時 月曜から金曜午後5時から午後10時、土曜・日曜、祝日・休日、12月29日から1月3日午前10時から午後4時 ※時間外は新潟県こころの相談ダイヤル(電話:0570-783-025)で相談を受け付け
くらしとこころの総合相談会
弁護士、保健師、精神保健福祉相談員などが、生活や仕事、心の健康や借金についての相談などに対応します。
申し込み 開催日前日までに電話でこころの健康センター(電話:025-232-5570)
日時(1人1時間) | 会場 |
---|---|
2月19日(金曜)午後5時30分から午後8時30分 | 総合福祉会館(中央区八千代1) |
3月19日(金曜)午後2時30分から午後8時30分 | 総合福祉会館(中央区八千代1) |
3月26日(金曜)午後1時から午後5時 | 坂井輪健康センター(西区寺尾東3) |
※「3月19日の回」は経営についての相談にも対応
その他の相談窓口
孤独や不安で悩んでいる人
新潟いのちの電話 電話:025-288-4343
日時 年中無休、24時間対応
自殺予防いのちの電話 電話:0120-783-556
日時 3月31日(水曜)まで午後4時から午後9時
※2月10日(水曜)、3月10日(水曜)は午前8時から翌午前8時
仕事や暮らしの問題で生活に困っている人
パーソナル・サポート・センター 電話:025-385-6851
日時 月曜から金曜午前9時半から午後4時半(祝日・休日、12月29日から1月3日除く)
子育てに悩んでいる人
子育てなんでも相談センターきらきら 電話:025-248-2220
日時 月曜から金曜午前8時半から午後5時15分(祝日・休日、12月29日から1月3日除く)
このほかの相談窓口はこちらから
SNS相談(厚生労働省ホームページ)
市ホームページ相談窓口一覧
大切な人を守るために
心の疲れや不調に、自分ではなかなか気付けないことがあります。
身近な人の様子がいつもと違う、疲れているように見えるなど、心配なことがあったら声を掛けてみてください。
周りにこんな人はいませんか?
- 気分が不安定、自分を責める
- 不眠が続く
- 酒量が増す
- 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする
- 職場や家庭でサポートが得られていない
- 本人にとって価値あるもの(職、地位、家族、財産など)を失う
- 重症の病気にかかる
- 「死にたい」と口にする
- 自殺未遂に及ぶ
不調のサインに気付いたら
何気ないことをきっかけに声を掛けましょう
「最近よく眠れていますか?」「元気ないけど、何かあった?」など、体調について尋ねてみましょう。空振りでも構いません。心配していることを伝えましょう。
相手の話をじっくり聴きましょう
相手の気持ちを尊重して落ち着いて話せる環境を作り、相づちを打ちながら真剣な態度で話に耳を傾けましょう。話を聴いたら、「話してくれてありがとう」「大変だったね」と相手をねぎらう気持ちを伝えましょう。
早めに専門の相談機関につなぎましょう
専門機関への相談や医療機関の受診は、決して恥ずかしいことではありません。まずは上に掲載した相談窓口のことを教えてあげてください。
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