市報にいがた 令和3年5月2日 2742号 5面
最終更新日:2021年5月2日
みなとまち新潟 歴史探訪(45)
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花の名産地~新潟とチューリップ
四季を通して色とりどりの花が咲き誇る新潟市。秋葉区の信濃川沿いの地域では、度重なる水害により農業だけでは生活ができず、江戸時代末期から草花の栽培が始まったとされています。中でも小合地区は、明治時代になるとボタン、シャクヤクなどの一大産地となりました。
大正8年(1919年)、小合村の小田喜平太(おだ きへいた)はオランダから球根を輸入して本格的なチューリップ栽培を始めました。当初はどのような花か理解されず普及に苦労しましたが、信濃川が運ぶ土壌と気候が栽培に適していたこともあり、数年後には大形(東区)、根岸(南区)、小須戸(秋葉区)など旧中蒲原郡の各地に広まり、海外にも輸出されました。
太平洋戦争中は食糧増産のため球根がでん粉加工用や食用とされ、チューリップ栽培は大きな危機を迎えます。しかし、一部の保存球根や私的に栽培を続けた人々の努力によって戦後に復興を遂げ、新潟市は全国有数の出荷量を誇るチューリップ王国となりました。
平成元年(1989年)には市制100周年を記念して「市の花」に制定され、多くの人々から愛され続けています。
六郷(秋葉区)のチューリップ畑(平成18年ごろ)
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