市報にいがた 令和3年8月1日 2748号 5面
最終更新日:2021年8月1日
みなとまち新潟 歴史探訪(48)
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海を越え、川を渡る ~新潟の浄土真宗寺院
西蒲区越前浜にある西遊寺(さいゆうじ)は浄土真宗の寺院で、慶長8年(1603年)、川尻山西光寺(かわじりさんさいこうじ)(福井県)の分寺として創立しました。初代住職を務めた永尊(えいそん)は、織田信長に討たれた戦国大名・朝倉義景(よしかげ)ゆかりの者という説のある人物で、天正年間(1573年から1592年)初めに越前国から戦乱を逃れてきた人々を中心に、越前浜一帯の村が檀家となりました。
西遊寺のように他県にルーツを持つ浄土真宗の寺院は、越前浜のほか五ケ浜(ごかはま)や角海浜(かくみはま)など旧巻町の周辺地域や中ノ口川流域などに分布しています。これらは北陸方面や信濃方面が発祥のものが多く、北陸からは海を渡り、信濃からは信濃川や中ノ口川を通って、多くの人々と寺院が新潟にやって来ました。
このような人の移動に伴った寺院の移転は、主に近世初期に盛んでした。戦乱や浄土真宗への弾圧から逃れるためなど理由はさまざまでしたが、他国からの人の流入・定住は蒲原平野の開発や村落形成の発展に大きな影響を及ぼしました。
現在の西遊寺。
現存する本堂は明治11年(1878年)建築のもの
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