こども医療費の対象年齢拡充はこうして実現した

最終更新日:2022年2月22日

こども医療費の対象年齢拡充はこうして実現した

拡充への思い

『安心して子どもを産み、育てられる新潟を目指す』
 この強い思いを公約に掲げ、市長に就任して以降、市民の皆さまが安心して子どもを産み育てられる環境づくりを重要政策として力を入れて取り組んできました。様々な子育て支援策の中で、子育てにおける負担と不安を軽減する取り組みの一つが「こども医療費助成」です。
 以前からこども医療費助成制度の助成対象年齢を中学生以降にも拡充してほしいと、市民や市議会の皆さまから強い要望を受けていましたが、財源不足から実現することはできませんでした。
 この制度は、子どもが医療機関を受診した際の医療費を助成するもので、本市では通院・入院ともに一定の自己負担で医療サービスを受けることができ、薬代は全額を助成しています。こども医療費助成は全国の市町村がそれぞれ制度設計しており、住んでいる地域で受けられる助成内容に差が生じています。私が市長に就任した当時、本市の助成制度の対象は通院助成が小学6年生までで、これは県内市町村の中でも低い助成レベルでした。
 私はこのこども医療費助成制度を充実させることは、子育て世帯を経済的に支援し、またこれから子どもを産み育てたいと考えている方々にも安心感を持っていただけると考えました。

1回目の拡充:通院助成を中学3年生まで拡充

 平成26年度から制度拡充の安定した財源を得るため、県内市町村がこども医療費の財源としている県の支援に加えてもらえるよう県に要望しており、私も平成31年1月に直接花角知事へ要望しました。市議会も同じ内容の意見書を提出することを平成30年12月議会において全会一致で可決し、花角知事に意見書を提出していただきましたが、県としては政令市移行時に締結した協定によって財源は本市に移譲済みであるという認識でした。
 その後、市長就任後取り組んできた集中改革によって生みだす財源を活用すれば、小学校6年生までだった通院助成の対象年齢を「中学3年生まで」拡充できると判断し、平成31年2月議会に提案し令和元年度からの拡充を実現させました。

2回目の拡充:通院助成を高校3年生まで拡充

 1回目の拡充によって多くの子育て世帯から喜んでいただきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響によって経済的に苦しむ子育て世帯の負担を少しでも緩和するとともに、子どもたちにとって気軽に医療を受けられるようにするためには、通院助成の対象年齢の更なる拡充が必要であると感じ、予算編成過程の途中から重点項目として加え検討を行いました。
 拡充の実現に向け令和3年1月に再び花角知事に要望しました。しかし依然として県の認識は変わらず、私は今後も同じ要望を続けたとしても県と本市の双方の主張は平行線を辿ることになり、またこの問題の解決を待っていれば、こども医療費の拡充はさらに遅れてしまうと痛感しました。幸い取り組んでいた集中改革の効果が上積みできたことから、その財源を活用して2回目となる「高校3年生まで」の拡充に踏み切ることを決断し、令和3年2月議会において承認され実現することができました。
 なお県への要望は叶いませんでしたが、それとは別に花角知事の政治判断によって県からは3年間で合計1億円の新たな交付金が創設され、本市に対して一定の配慮を行っていただきました。

 2回の拡充によって通院費・入院費ともに助成の対象が「高校3年生まで」となった本市の制度は、政令市の中でも最上位の助成制度となっています。『安心して子どもを産み、育てられる新潟を目指す』との思いで2回の拡充を決断しましたが、いずれも集中改革の取り組みがなければ実現は出来ませんでした。重要課題である人口減少対策を行う上で、子育て世帯に手厚い支援をすることによって少子化対策にもつなげていきたいと思っています。

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