令和元年10月29日 市長定例記者会見
最終更新日:2019年11月1日
市長定例記者会見
期日 | 令和元年10月29日(火曜) |
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時間 | 午前10時00分から午前10時50分 |
場所 | 新潟市役所(本館6階 執行部控室) |
発表内容
- 1.新バスシステム・BRTの総括について(政策企画部/都市交通政策課)
- 2.新潟駅高架下交通広場(バス乗降場)の整備イメージ動画配信について(新潟駅周辺整備事務所)
- 3.「NIIGATA☆ひかりの公園」の開催について(文化政策課)
- ※第11回食の国際見本市「フードメッセinにいがた2019」の開催について(ニューフードバレー特区課)
質疑応答
配布資料
市長記者会見動画(10月29日開催分)
令和元年10月29日開催記者会見の動画(クリックすると録画映像をご覧いただけます)(外部サイト)
発表内容
1.新バスシステム・BRTの総括について
最初の案件は、新バスシステム・BRTの総括についてです。
昨日、担当の方からご説明しておりますけれども、改めて私の方から説明させていただきます。
新バスシステム・BRTは導入から4年が経過した中、来年3月に期限を迎える運行事業協定の更新に向けて、これまでのあり方を見直し、今後の方向性を検討するため、市としての総括を取りまとめました。
総括は、本編、参考資料、データ集で構成しておりますが、本日は本編についてご説明いたします。
最初に1ページ「2.基本的事項」の「(1)新バスシステム・BRTの導入目的」です。
新潟市のバス利用者数は、平成2年度から22年度までの20年間で約65%減少し、運行便数も平成13年度から24年度までの10年間で20%減るという、利用者の減少と路線の廃止や減便が繰り返される、負のスパイラルに陥っていました。
また、新潟駅から柾谷小路の都心部では、すいているバスが団子状態で走る非効率な状態や、同じ名前のバス停が隣り合って多数並ぶなど、煩雑で非常に分かりにくい状態でもありました。
このような状態を打開するため、新潟市は、BRTと路線再編からなる新バスシステムを公設民営方式により導入したところです。
まちなかの幹線区間にBRTを導入し、連節バスによる大量輸送能力も生かすことで、バスの集約化と効率化を図りました。そこで生まれた車両や運転士の余力を郊外に振り向けることで、郊外線の増便や新規路線の開設を行うなど、市域全体の路線再編を行い、将来にわたって持続可能なバス交通の構築を目指しました。
次に、3ページ、「3.総括」の「(1)新バスシステム・BRT導入後4年間の運行実績」をご覧ください。
運行事業協定で定めた、バスの年間走行キロ数が確保されるとともに、現在は、新バスシステム導入前に比べて295便の増便や、7路線の新設が実現しています。シニア半わりの押し上げ効果もありますが、利用者数が増加したことは画期的といえます。
これらのことから、新バスシステム事業評価委員会による、開業後3年間の中間評価では高い評価をいただき、また、本年7月には、「日本モビリティ・マネジメント会議」より、BRT・新バスシステムを契機として、持続可能なバス交通体系の構築を進めたとして、マネジメント賞を受賞しました。
一方で、本年6月から7月にかけて実施した、バス利用者アンケートは、4ページにまとめたとおり、非常に厳しい結果となりました。
新バスシステム・BRTの導入目的は、約7割の方がご存じであったものの、増便や路線の新設といった具体的な効果への認知度は、6割以上の方が知らなかった項目がほとんどで、加えて、「乗り換え手法への協力は難しい」と「路線網の維持は必要ない」と答えた方を合わせると約5割という結果となり、特に高齢者に乗り換えへの不満感が強いということが確認されました。
7ページからは、このことを踏まえ、「(3)導入効果と利用者満足度との乖離(かいり)の要因」をまとめています。
新バスシステム・BRTという手法については、市域全体のバス路線網の維持という観点で、「有効な手法」と全国的にも評価される一方で、利用者の不満感は強く、なぜこのような乖離が生じたのかを、反省点を含めて6つの要因に整理しました。
1つ目の要因は、「市民理解を置き去り」にしてしまったことです。
新バスシステム・BRTの根幹である「乗り換え」に対する市民理解が不十分なまま事業を進めてしまい、また、都心部におけるバス交通網の発展的イメージを市民に伝え切れませんでした。
2つ目の要因は、「開業時の混乱」です。
開業当日の運賃精算システムの不具合による混乱によって、BRTへの嫌悪感を抱かせるスタートになり、今なお、払拭されていません。
3つ目の要因は、「乗り換えによる利便性低下」です。
乗り換えにより、心身両面に実際に負担が生じたことに加え、乗り継ぎ割引制度は周知が不十分であったなど、乗り換え負担軽減策が後手に回り、利用者の不満が尾を引いています。
4つ目の要因は、「高齢者のバス利用控え」です。
乗り換えが高齢者の一部にバス利用自体を躊躇(ちゅうちょ)するような気運を生じさせてしまいました。高齢者層の客足が遠のいたという商業者の意見を真摯(しんし)に受け止める必要があります。
5つ目の要因は、「連節バス導入への疑問等」です。
連節バスの導入を巡って、必要性や整備性などへの疑問や不安から、多くの否定的なご意見が寄せられました。
6つ目の要因は「BRTの要素欠落」です。
専用走行路の設置に至らなかったため、BRTの中核ともなる速達性という利便性を提供できないまま導入へと進んでしまいました。
以上のように、持続可能なバス交通の実現と合わせて、利用者目線での利便性確保・向上も一体的に実現させるという基本線が揺らぎ、利用者の不満感を解消できないまま進んできました。
こうしたことが、事業効果と利用者の満足度の間に乖離が生じた原因と考えています。利用者目線での取り組みが不十分であったことを、真摯に反省しなければなりません。
次に9ページをお願します。「(4)まちづくりの将来展望」です。
新潟市の拠点性向上に向けて、また、人口減少・少子超高齢化社会においては、わかりやすく、利用しやすい、満足度の高いバス交通の重要性が一層高まるとともに、市民が多様な選択肢のある交通手段を持てる必要があります。
令和3年度には、新潟駅連続立体交差事業による在来線全線高架化が完成し、これまで分断されていた、新潟駅の南北がつながり、令和4年度には新潟駅高架下交通広場に新たなバスターミナルが整備され、新潟駅の交通結節点としての機能が高まります。
新潟駅高架下交通広場については、設計がおおむね決まり、イメージ映像を作成しましたので、後ほどご覧いただきます。
こうして、鳥屋野潟南部方面と万代・古町周辺地区を結ぶ基幹公共交通軸が形成されることの意義は大きく、新潟駅南側地域のさらなる発展は、今後の政令市新潟の将来に大きく関わってきます。
最後に、10ページ「(5)本市のバス交通の方向性」です。
全国の地方におけるバス事業者が、利用者の減少や運転士不足などにより、大変厳しい経営環境に置かれている中、全国に先駆けて導入した新バスシステム・BRTを根底から覆し、直通便を中心とした運行形態に戻すことは、郊外路線を中心にバス交通網の維持さえ難しい状況へと再び戻ることになります。
本市のまちづくりを展望すれば、公共交通の存在は不可欠であり、市内バス交通網の衰退をこれ以上引き起こすことは許されず、新バスシステム・BRTは今後とも改善を丁寧に積み重ねていくことといたしました。
まず、新潟駅南北がつながる、まちづくりの大きな転換期に臨んで、BRT路線をはじめとする、現行の路線の改善に取り組みます。
具体的には、利用者目線を徹底し、バス待ち環境の改善や、乗り換え時の負担軽減を運行事業者との役割分担のもと、実現可能性を見極めながら積み重ねていきます。
次に、新潟駅の南北を結ぶ基幹公共交通軸の効果が最大限に発揮されるよう、バス運行について、事業者との協議を進めます。
その際には、都市のグランド・デザインを背景に、市民や経済界と共に、南北を貫く都心軸の具現化を進めていきます。
また、これまで不十分であった市民理解の醸成に向け、新潟市が目指すバス交通や全国の地方都市におけるバス事業を取り巻く状況などについて、到達点や問題点を市民や利用者に向けて丁寧に伝え、理解を得てゆく取り組みに力を注いでいきます。
以上が、新バスシステム・BRTの総括についてです。
2.新潟駅高架下交通広場(バス乗降場)の整備イメージ動画配信について
次の案件は、新潟駅高架下交通広場の整備イメージの動画配信についてです。
ご承知のとおり、新潟駅周辺地区においては現在、日本海側の拠点にふさわしい都市機能の強化に向けて、鉄道在来線の高架化をはじめとした新潟駅周辺整備事業を進めています。
今年の5月には、立体交差道路の一つである、新潟鳥屋野線が一部供用し、今年度中には、全線で供用を開始することから、南北市街地の一体化が進むものと考えています。
今後は、令和3年度頃の高架駅全線切り換え、令和4年度頃の高架下交通広場の供用、令和5年度頃の万代広場の供用を予定しておりますが、その後もさらに、鉄道の南北をつなぐ幹線道路や、高架橋脇の側道など、引き続き新潟駅周辺の整備を進めていきます。
このような中、新潟駅直下にバス乗降場を整備する高架下交通広場について、市民の皆さまに、完成後の形をご理解いただきたく、分かりやすいようにイメージ動画2種類を作成し、動画配信サイト「You(ユー) Tube(チューブ)」で配信するものです。詳細につきましては、資料の右側の計画図をご覧ください。
万代広場は、左側がタクシーと自家用車駐車場、中央がイベントなどができる広場、右側の現在自家用車駐車場として使用されている場所が、バスの乗降場になる予定です。
高架下交通広場は、万代広場と南口広場のバス乗降場をつなぐ形で、駅直下に整備するものです。
本日は南口広場から入るバージョンの一部を皆さまにご覧いただきたいと思います。
(動画上映 市長説明)
・こちらの動画は、バスが南口広場から高架下へ進入し、万代広場へ出るものです。
・南口広場は、実際バスに乗って、バスの運転手の目線の高さで撮影しています。
・高架下のところはイメージ動画に切り替わります。
・高架下交通広場へのバスの入り口は、現在、空港リムジンバスの乗車場所となっている箇所になります。
・高架下のバスレーンの様子です。
・高架下に入ったバスは、停車しているバスの脇をゆっくり通ることとなります。
・特に、朝と夕方のラッシュ時には、次から次へと大量のバスが発着します。
・バスの待合空間の様子です。
・高架下交通広場から、駅の改札がある2階へはエスカレーターのほか、階段やエレベーターで行き来することができます。
・バス待合空間の脇は、商業施設となる予定です。
・反対側も同様に、バスレーンとバス待合空間があり、その奥は商業施設となる予定です。
・万代広場側のバス乗降場の様子です。
・右側に見えるのが通称「ガレッソ」で、正面に見えるのが、現在建て替え中の「マルタケビル」となります。
・バスは、手前の転回場でUターンすることもできます。
より多くの市民の方にこの動画をご覧いただき、高架下交通広場の完成後のイメージを共有していただければと思います。
3.「NIIGATA(にいがた)☆ひかりの公園」の開催について
次の案件は、「NIIGATA☆ひかりの公園」の開催についてです。
夜間も文化芸術を楽しめる環境をつくり、交流人口の拡大につなげることを目的として、11月8日(金曜)から12月1日(日曜)までの毎週金曜、土曜、日曜の午後5時から午後8時まで、新潟市中央区にある西大畑公園において「NIIGATA☆ひかりの公園」を実施します。
公園内に、人の動きに映像が反応するインタラクティブアートや、木々に投射した映像が、まるで語りかけてくるかのような演出を仕掛け、散策しながら楽しめる体験型アートを展開します。
期間中は、鯛車制作ワークショップや新潟市美術館内にあるカフェの夜間オープン、旧齋藤家別邸の「秋の庭園ライトアップ」なども開催されます。
「国民文化祭」や「新潟・庄内エリアデスティネーションキャンペーン」の開催期間でもありますので、新潟の新たな夜の魅力の一つとして、ぜひ市内外の方からお楽しみいただきたいと思います。
※第11回食の国際見本市「フードメッセinにいがた2019」の開催について
案件は以上ですが、1件資料を配布させていただきました。
食の国際見本市「フードメッセinにいがた2019」についてです。
11回目となる今年は11月6日(水曜)から8日(金曜)まで、朱鷺メッセを会場に、全国36都道府県、海外3カ国、434者から出展をいただき、ビジネスマンや事業者様を対象に盛大に開催いたします。
展示ホールでは、食に関わる多種多様なブースをご用意し、商談の機会を設けるほか、来年度から完全移行する食品表示法による食品表示制度や、令和3年6月から食品衛生法で義務化されるHACCP(ハサップ)など、食品業界で現在注目されるテーマを中心に、さまざまな講演やセミナーを実施します。
また、「にいがた6次化フェア2019」、「にいがた食の輸出商談会2019」も同時に開催いたします。全国15の農業者が試作・製品化した加工食品などの披露や、韓国・シンガポール・ロシアなど10カ国20社をお招きして、個別商談会を開催いたします。
なお、現在、フランス・ナント市の代表団をお迎えしていますが、フードメッセは食の交流の手掛かりとなることから、ナント市の皆さまにも概要をご説明し、地元でのPRをお願いしました。
新潟をはじめ、全国の食や流通関連の企業、飲食店、6次産業化など、食ビジネスに意欲をお持ちの皆さまのご来場をお待ちしております。
質疑応答
新バスシステム・BRTについて
(記者)
BRTの総括の話なのですけれども、導入を急ぐあまり、乗り換え手法への市民の十分な理解を置き去りにしたという、厳しい反省の言葉が並ぶ総括となったわけですけれども、これほどまで厳しい内容の総括にした市長としてのねらい、意図というのはどういうところにあるのか、まず伺います。
(市長)
当初、市としてこの総括を行う予定はありませんでしたけれども、事業評価委員会による中間評価が発表された後、バス利用者に対するアンケートをやろうと。アンケートと中間評価を合わせて参考として、市としての総括を行うことと決定しました。内容については、4年間の実績とアンケートの乖離を整理し、導入効果と利用者の満足度の乖離の要因も含め分析したところです。事業を進めてきた市としては厳しい内容となったと思いますけれども、客観的事実に基づき、バス利用者目線で真摯な要因分析になったと思っています。
(記者)
導入を急いだという表現があるのですけれども、中原市長が就任されたときはすでにBRTが導入されていたわけで、中原市長は選挙のときに大幅な見直しを掲げて当選されたわけですけれども、導入を急いだとあるのは、誰がなぜ導入を急いだと考えていらっしゃいますか。
(市長)
新潟市としては、当時の最初の導入目的でも申し上げましたとおり、バスが非常に混雑していたり、分かりにくかったり、渋滞を招いたということで、こうしたものをとにかく改善しなければならないということで導入したと思います。また、そういう中で、バス(交通)の全国的な状況の中で、運転手不足ですとか、利用者減少というバス環境が厳しい中で、こうした問題を新潟市としていち早く、全国に先駆けて取り組む必要があるということで、私は真摯に、新しいシステムを導入して、そしてまたその後はLRTというような壮大な目標を持って、新潟市が取り組んだと思っています。
(記者)
導入を急いだのは前の市長だというふうに思いますけれども、事業効果と利用者の不満の乖離が生じた責任は前の市長にあるとお考えですか。
(市長)
今申し上げたように、決して責任が誰々にあるというより、前市政の中で、新潟市のバス事業に対する課題を真剣に捉えて、このシステムを導入したと認識しています。
(記者)
BRTを市としては評価されていることなので、システムとしては継続していくという考えだと思うのですけれども、BRTというシステムの大前提として、どうしても乗り換えが生じることが避けられないわけですけれども、システム上、乗り換えは不可欠な中で、根幹部分の乗り換えに対して非常に強い不満が市民の間にはあるわけですけれども、乗り換えに対する不満というのはどのように克服するのか、できるのかとお考えでしょうか。
(市長)
改善ということについて申し上げると、マスコミの皆さんも含めて、市民の皆さんが期待される、具体的にどのように改善するのだろうと当然思われると思いますけれども、一つは、乗り換えに対する仕組みを基本とする以上、私は、これは着実に地道に改善を積み重ねていくより他はないと思っていまして、これを基本とする以上は、皆さんが期待するような、大きくドラスティックにチェンジするようなことは、確かに難しいという認識を持たざるを得ないわけです。まちなかに、まずは幹線を持って、そして郊外に支線を持って、それ以外の区の中の地域において、細かい部分についてフィーダー線という区分けの中で効率化を図るシステムですので、このシステムとしては、今の状況の中でなかなか崩すことはできないだろうと思っています。
(記者)
今回、動画を配信ということなのですけれども、この動画を配信するのも、アンケート結果とか総括であった市民の理解を醸成していくというところの一環なのでしょうか。
(市長)
決してそういうわけではありませんけれども、就任した当初から、早く高架下交通広場について、市民の皆さんに説明ができるように資料を作ってほしいということで申し上げてきた結果、今回のタイミングになったということです。ただし、今回の整理の中でも、万代口と南口をつないでいくという中では、皆さんからより具体的なイメージを持っていただけるというのは確かだと思います。
(記者)
この動画を公開することで、例えば高架下広場というのは、市民の不満の部分で、乗り換えのしやすさだとか、解消できる部分が見えてくるものになっているのでしょうか。
(市長)
駅の高架化が実現して、高架下バス広場ができたときには、初めて新潟市として南北がつながるわけですので、そこでバスの重要性というものも新たに市民の皆さんから認識していただくこともできるのではないかと思っています。
(記者)
総括に戻ってしまうのですけれども、3月に新潟交通との運行事業協定の期限を迎えるかと思うのですけれども、その中で、交渉していく上で、これだけの反省をしておやりになったと思うので、体制を変えなければいけないのではないかと思うのですけれども、BRTを改善していくための部署というか組織を改めて強化するですとか、作るですとか、そういったことはお考えになっておられますでしょうか。
(市長)
今回の総括を踏まえて、今後、具体的な改善策ですとか市民理解の醸成、来年3月に迎える新潟交通との運行事業協定という問題があります。これにつきましては、こうした課題を検討するために、副市長をトップとした専門チームを設けて体制を強化したいと思っています。
(記者)
専用走行路の関係なのですけれども、専用走行路の必要性を現時点で市長はどのようにお考えですか。
(市長)
そもそも、できてしまったことをなかなか言いにくいのですが、私としては島式ホームですとか、専用走行路、今回、トータルデザインといいますか、当初のトータルデザインですとか実現可能性について、やはり十分な検討が加えられないで事業が開始されたのではないかということは否めない事実だと思っています。専用走行路だとか島式ホームの整備は、現行の道路に大きな影響を与えると考えていまして、平成28年度に実施した社会実験で、利用者の安全性や一般車両との交錯、ホームの長さ不足など、課題が多く見つかりました。十分な実現可能性の検討と利用者視点、一般車両との共存のための社会的な合意を得る必要があると考えています。現時点で、センターレーンを前提とした島式ホームを含む専用走行路の設置を、今は議論できる状況にはないと思っています。具体的には、令和4年度に予定されている新潟駅高架下交通広場の供用のタイミングに合わせて、こうした問題を関係機関と検討していきたいと思っています。
(記者)
総括の関連なのですけれども、市として率直に思い切った総括をしたなという印象を持っているのですけれども、その一方で、具体的に問題点をどうするというところが入っていないというのは、問題があるのではないかと思うのですけれども、改めて率直に、今回の総括に具体的な対策が盛り込まれていないことについて、市長はどのようにお考えでしょうか。
(市長)
今回は、あくまでも4年間の総括をさせてくださいということで、4年間やってきたことがどうであるかということになりますということで、最初から申し上げてあります。その上で、先ほど申し上げましたように、今後につきましては、副市長をトップとした専門チームを設けて体制の強化をして、今、私がかなり自分なりに言ったと思うのですけれども、そうした課題を検討していきたいと思っています。
(記者)
総括のところで、市民の理解への醸成とか、理解を得るという言葉があります。それは一つの目的だと思うのですけれども、一方で、先ほどの市長の発言でいくと、大きなシステムは崩せないだろうという話でした。となると、緩やかに時間をかけて、あまり具体的に変えることなく、今の状態で何とか理解してもらおうというような、非常に後ろ向きな気持ちで、市民に何とか理解してもらおうとしているのではないかと思って、BRTをどうにかしなければとか、利用者の目線でしっかりと方向を変えていかなければといった意志が見られない気がするのですが、そのあたりはどうでしょうか。
(市長)
それは、それぞれその人なりの印象でしょうから、それは結構なのですが、我々としては、以前のようなバスが衰退していくような状況には決して戻すことができないと。まず、これが大前提です。全国的に見ても、バスの減便や廃止が行われていて、地域にバスがなくなってしまう。住民の皆さんからは、バスが通って来なくなった。これからの少子高齢社会のために、住民の足を何とか作ってほしいというようなものを見るにつけ、やはりその先を見据えながら、バスを持続的なものにするために、新潟市としては努力していくということに尽きると思っています。
(記者)
そのための手立てということですか。
(市長)
そうです。そのためには、BRTの根幹である乗り継ぎのシステム、まちなかに幹線を設けて、そことつなぐ郊外へ向かう支線を設けて、地域の中ではフィーダーで、区バスですとかコミュニティバスを持つと。この全体のシステムは存続せざるを得ないだろうと思っています。あとは、繰り返しになりますけれども、具体的な交通結節点やバス停留場といったものを地道に良くしていくことによって、市民の皆さんから、少しずつ良くなっていると思っていただきたいと思っています。
(記者)
先ほどの、副市長をトップにするチームというのは、いつぐらいに立ち上げるのでしょうか。最初の会合がいつあるとか、そういったことはありますか。
(市長)
機運醸成の広報のあり方だとか、住民の合意形成だとか、私としてはいろいろ考えてみたいことはありますけれども。
(記者)
もし、決まっていれば。
(市長)
決まっていないですけれども、それほど遅くならないように早く。先ほど申し上げたように、まずは新潟交通との運行事業協定に臨む問題点を整理する必要があると思いますので、できるだけ早くということになると思います。
(記者)
年内は厳しいですか。
(市長)
年内になると思います。
(記者)
整理して、3月には整えると。
(市長)
専門チームの中にどういう人たちを入れたら、うまい形で機能するかということもこれから考えていかなければだめでしょうし。
(記者)
今、おっしゃった副市長をトップとした専門チームというものに、市長がどのように関わられていくのでしょうか。その報告を受けて、それを実施に移すのか、それとも意見をされていくのか。
(市長)
(専門チームを)作ってみて、私との距離は考えてみたいと思いますけれども、専門チームができたあかつきには、一緒になって、私はそこに関係ないということではなくて、やはり関わりながら、一緒になって真剣に具体的な問題を協議していくことになると思います。
(記者)
反省されている中に、乗り換えへの負担というものがありますけれども、バスの利便性を高めることと乗り換えというのはどうしても両立しない部分があるのではないかと思うのですけれども、今後、専門チームを設けて、いろいろ対策していく中で、例えばいろいろな不満が解消されるというのも、次期のゴールとしては、新潟駅の交差事業の完成を待つのか、そこがあれば解消される状態での最終形として、駅が南北を通過すれば理解してもらえる、そのためのBRTだったからなのか、完成しないまでも、現状として一つ一つの課題、乗り換えへの負担というものを解決していくものを小出しというか、どんどん出していくのか。これまでもいろいろ解決策をやられてきたと思うのですけれども、それでも解決しないということは、乗り換えへの不満を解消することはかなりハードルが高いと思うのです。それに対して、不満解消といったものをどういうところにイメージしていらっしゃるのかというか、私もぼんやりとしているのですけれども、こういう時期にこういうことが解消されていればいいというのはあるのでしょうか。
(市長)
私も同じような疑問を持つときはあるのですが、まず、バスというものが、自家用車は自分の家から自分の目的地まで、ほぼ近いところまで乗り継いだりして、これについて不満を持っている人は当然、自家用車なのでないと思いますけれども、バスや電車の場合は、人によってはそれぞれ、それを補うというか、自家用車を持っていないときにそれを利用するということで、比較すれば当たり前の話ですけれども、決して自家用車に勝るものではないというか、バスにしても電車にしても。しかし、それがあるおかげで目的地の近くまではたどり着ける手段だと、大前提としてそのように思っています。あとは、今後の中で、高架化するまでの間は、今あるBRTの部分を着実に地道に良くしていくということになると思いますし、高架化したときには南北を、駅の高架下広場を通じて鳥屋野潟南部や亀田の方に直通で、乗り継ぎなしで行けるという、利便性のあるバスが新たに誕生することになるのではないかと思っています。それは私が勝手に言うだけではだめで、新潟交通としっかり協議をして、皆さんにご報告しなければならないことにもなるわけです。
(記者)
これまで対策してきた乗り換え対策というのは有効だったと思われますか。例えば青山などで待合所を設けられたり。
(市長)
そもそも、私自身が評価してしまうと、本当に変えられるのかということになってしまうものですから、先ほど少し厳しい言い方をしましたけれども、スタートの時点でのBRTシステムに対するトータルデザインだとか、それぞれの具体的な部分における実現可能性ということをしっかり検討したかどうかということについては、少し私としては疑問を持たざるを得ないと。
(記者)
新潟交通との運行事業協定の更新時期が年度末にあるわけですけれども、それに向けて副市長をトップとする専門チームを設けるということですが、副市長はお二方いるわけですけれども、どちらがトップになるのですか。
(市長)
高橋副市長にお願いしようかと思っています。
(記者)
現段階で、運行事業者協定に向けた交渉で、市としてはどのような課題を持っているのでしょうか。
(市長)
今回総括したことも含めて、もう一度、あらゆる問題点を専門チームの中で検討し整理して臨みたいと思っています。
(記者)
確認になるのですけれども、BRTについて、乗り換え自体はどうしようもないというか、今後、改善を検討していく中でも、乗り換えが生じること自体は変わらないというご認識ですか。
(市長)
根幹はそうです。変わりません。ただし、私としては、もちろん新潟交通との協議になりますけれども、まだ直通便が必要であるとするならば、それは、新潟交通側に求めていきたいと思っています。
(記者)
今後、新潟交通と役割分担しながら改善を進めていくということですけれども、現段階で、具体的に新潟交通に求めていくこと、こうしてほしいということは、どのように考えておられますか。
(市長)
今回の総括や、これから新たに出る問題点を含めて、全部のんでもらえれば一番ありがたいわけです。ただし、実際に運行する事業者がいらっしゃるわけなので、ここが現実的に、我々は申し訳ありませんけれども、ある意味、こういう方々に比べると素人。自分たちがダイヤを編成して運行している方々とは違うわけですので、我々としては、こうしてもらえれば新潟市のバスが良くなるという課題は整理して、新潟交通側にお伝えしようと思いますけれども、それを(新潟交通側が)全部受け入れて、第二期の協定が締結になりましたとは、残念ながらならないと思うのです。ここで現実的な、実際に運行できるという協議、交渉をやっていくことになると思います。
(記者)
副市長をトップとする専門チームなのですけれども、これは、市の職員の中で完結するものと考えているのですか。
(市長)
市の職員だけになるか分かりませんけれども、民間の力も私としては活用するような検討もしていきたいと思っています。
(記者)
交通の専門的知識を持った方を入れたりすると。
(市長)
そういうことになると思います。私たちの足らざるところを補ってくれるような方々から協力いただけるかどうかということを検討していくと。
(記者)
先ほどレーンの話が出たのですけれども、それを含めてトータルデザインができないままにスタートしたのではないかと。
(市長)
トータルデザインという言葉があっているかどうか分からないのだけれども、私が勝手に使っているだけです。
(記者)
要は、これはレーンがないままにBRTがスタートすることでこういったことが生じるということが、当時、予測はできなかったものなのでしょうか。
(市長)
当然、昔からバスはあるし、今後もバスはある、流れの中でできるものからやっていこうということでスタートしたのではないかと思います。
(記者)
その結果が今、不満が生じてきている部分もあるというのは、今回の総括で分かったと。
(市長)
そういうことでしょうね。
ラグビーワールドカップ 日本代表 稲垣啓太選手について
(記者)
ラグビーワールドカップが20日に南アフリカ戦に惜しくも破れ、ベスト8という結果になったのですけれども、本市出身の稲垣選手の活躍をどのように受け止めておられますか。
(市長)
今まで、日本代表が成し遂げなかった決勝トーナメントに進出して、ラクビーが予想以上、期待以上に国民の間で関心が高まり、日本代表が素晴らしい成績を収めてくれたと思っています。そのラグビー日本代表の中に新潟市秋葉区覚路津出身の稲垣啓太選手がおられまして、新潟市民も勇気づけられたと思っております。彼の素晴らしい活躍に対して、市としては何か表彰するようなことができないかと、私自身思っていまして、具体的なことについては、今、検討しているところです。
(記者)
稲垣選手には今後、どのようなことを期待されていますでしょうか。
(市長)
これだけ全国的に、そもそも日本でラクビーがこれほど人気になったことはかつてないと思います。今、一番ラクビー熱が日本の中に高まっていて、稲垣さんも「笑わない」ということが、皆さんから親しまれているのか、人気になっていて、今後、どこに行っても彼の影響力はあると思いますので、ぜひ、新潟のラグビーはもちろんですけれども、スポーツの関係者の皆さんに稲垣さんの活躍、活動が新潟市内の、あるいは新潟県内のスポーツやいろいろな方々に好影響を与えることを私としては期待しています。
台風19号による農業被害について
(記者)
台風19号の被害についてお伺いしたいのですけれども、17日の市の発表で、被害額が全市で1億円ちょっということで、速報値ということで数字が出ていましたけれども、確か江南区での被害は調査中だったと思うのですが、その後、新たな被害等が分かって、数字等がまとまっていましたら、お願いいたします。
(市長)
施設被害が130棟、被害額は約4,300万円です。前回報告より約200万円減少しています。果樹の落下などの農作物被害が約170ヘクタール、被害額は1億です。前回報告より約3,800万円増加しています。合計で1億4,400万円、前回報告より3,600万円増加しているという被害額になっております。
(記者)
増加した中身としては、施設被害が多いということですか。
(市長)
果樹の落下などの農作物被害が増えております。
(記者)
江南区の調査中だった額が明らかになったりですとか、それにプラスしてあったということでいいのでしょうか。
(市長)
事務方から正確なところを説明します。
(農林政策課長)
江南区の農産物被害の集計と南区のかきのもとの被害、西蒲区の採卵鶏の被害額が追加になっています。
過去の市長記者会見
関連リンク
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